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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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ストップ!!ひばりくん!を全巻読んだ
 これ、もうちょっと掘り下げて書かなきゃいけないような気がしてるんですけど…でもなんか今はムリみたいなので(爆)、とりあえず書けることだけ思いつくままに書いてみましょう。

 江口寿史の「ストップ!!ひばりくん!」連載当時の私は、中学生から高校生にかけてくらいでしょうかね。ただ、終盤はもう全然読んでいなかったので、リアル中学生だった当時ということになります。で、私がこのマンガから何を感じ取っていたかと言えば、ものすごいヤバさを感じていました。これ、はまったら絶対ヤバいヤツだ、と。でも、作中のひばりくんはとても魅力的な人物に描かれていて、「見ないでおく」という選択も取れないでいたんです。

 感じていたその「ヤバさ」というのが何だったのか、今となっては正確に思い出すことはできないのですが…単純に「同性に惹かれること」を忌避していたのではなかったと思うんですよね。なんせ私、子どもの頃から占いが好きで色々と見てきたんですが、その中に「実はバイもいけるクチ」的なのがあって、あーあー、なんかそうかも知れんわーわかるわーとか、割と胸にストンと落ちたことがあったんで。あ、今んところはバイじゃないですよ。今んところは。

 えーっと。そういうカミングアウト的なことを書きたかったのではなくてですね…。

 私がひばりくんの中に感じていたものは、バイや同性愛への忌避感みたいなのじゃなかったと思います。そうじゃなくて…ひばりくんが何を考えてるかわからない、純粋にミステリアスな存在として書かれていて、それへの憧憬を率直に煽りに来てるのがヤバいと思ってたんですよ、きっと。
 
 耕作は、ギャグマンガの範疇とは言え、もうすんごい苦悩してるわけです。だけど、ひばりくんの方はと言えば、ほぼかわいいのが好きなだけで、なのに男性として生まれたことへの苦しみだとか、周囲の目とのギャップへの苦悩とか、そういう闇めいたものが全く見えないと来てる。80年代の、まだまだジェンダーへの言及がなされなかった時代にあって、既にもう何もかも乗り越えたような顔をして、自分のやりたいように自分のあるがままを貫いている(しかも自然体で!)、そういうキャラクターになってるんです。いや、まぶしいわそりゃ。カッコいいし、かわいいし、キュートだし、凛々しいし、えーっと、他に何と言えばいいんだ…とにかく、何か私の知らない未知の方向に突き抜けた、神様か天使みたいな存在だったんですよ。

 江口寿史が天才だなと思うのは、そういう頑強な骨格の上に、ありとあらゆる当時の「ファッション性」をぶら下げて更に完璧にしちゃうと同時に、その神性だか天使性だかわからないものをスイーツのようなもので見事にくるんで「毒が無いかも…と思わせるレベル」までがっつり昇華してることなんですよ。こんなヤバいもんあるか?!

 純化されたヤバさ。しかも、表面を眺めるだけでは気付けないヤバさ。それが、私がひばりくんに感じてたものの正体な気がするんです。

 理解できないものに対して、人間は恐れを抱きます。だから、感じていることを言語化できなかった中学生当時の私は、確かにひばりくんが怖かった。でも同時に、ものすごく惹かれたんです。

 その正体を見極めるために、そして自分の中にずっとあったモヤモヤをきちんと消化するために、私はひばりくんと向き合うべく読んだようなものです。今回は、怖くなかったですよ。そして、今でもやっぱりこの存在はまぶしいなと思いましたが、ちょっとだけ「ひばりくんのことは一生わからないんだろうな」という諦めとともに、その「わからなさ」がようやくわかったという点で、ようやく私の中でひばりくんの存在は一定の形を為すことができたと思います。

 コンプリートエディションで、連載当時にはキチンと完結出来なかった最後のエピソードが加筆修正されて掲載されていました。そのエピソードは実にメタな内容なので、不満も多いんだろうなと思いますが…ラストで投入されたあのキャラクターは「ひばりくんの鏡像」なので、ああ、やっぱりそうなんだ、江口寿史が書いてきたひばりくんという存在はそうなんだね、ということがよくわかるエンディングなんですよ。

 言葉にするとウソっぽいですが、江口寿史が書こうとしたのは、「性別に囚われない純化された女神」だったような気がするんです。まあコワイ。そんな存在に心奪われたらきっと一生引きずるわ。くわばらくわばら。

 うーん。思いつくままに綴ったら、なんかある程度は書き切れたような気がしてきました(笑)。以上、中学生の私の一部分への弔いとして、ここに記しておきます。ひばりくんよ永遠なれ。
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