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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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フルメタル・パニック!IV 第4話「オン・マイ・オウン」
 フルメタル・パニック! Invisible Victoryの第4話を鑑賞しました。

 ……随分冷静な風に書いてますけど、「どうしていいかわからない」くらいには動揺してます。

 と言いますか、第1話からここまで、毎度毎度、絶妙なバランス感覚に唸らされっぱなしなんです。個々のエピソードの描き方も秀逸なのですが、それらを1本の回の中にきっちりと構成して落とし込む技が、毎週、炸裂しまくりで。

 正直、私自身のコンディションは物凄く悪くて、レビューとか書いてられそうな感じではないのですけれど…それはそれとして、書けることを着実に書いてまいります。

 原作としては、この第4話までが「つづくオン・マイ・オウン」一冊分に該当する、というところでしょうか。サブタイトルもそれを裏付けるような気がしますし、どうやら1クールものらしい今回のシリーズが、残り二冊分の原作に相当するらしいというところからも、ペース配分としては妥当なところでしょう。

 …そうやって考えてみると、長編原作+短編数本を2クールかけてやった第1シリーズ、長編原作二冊分を1クールかけてやった第3シリーズ(TSR)と比べると、そりゃあ駆け足にもなろうというものです。第1シリーズ・第3シリーズとも、長編原作1冊当たり約6話を費やしているのに対して、今シリーズは1冊当たり4話。1.5倍速ですよ、ええ。

 でも、その「駆け足」が、ただの早回しみたいなことにはならず、得難いグルーヴ感とともに切迫した状況を描き出していることが素晴らしいです。恐らくは、落とさざるを得なかったモチーフが多岐にわたるのだと思いますが…それはそれ、これはこれとして、毎回の進行にありがたく身をゆだねてまいりたいと思っています。
 
【守りたかったもの】
 まずは、前回ラストのおさらいから。宗介が何を言ったか、以下に引用しましょう。

「君と二人で逃げることも考えた。
 だが二人だけじゃ意味が無いんだ。
 学校のみんなと、笑ったり怒ったりしている君が、
 オレには必要なんだ…。

 だからオレは全てを守る。
 君に属する、全ての世界を護衛する!」


 この後、宗介とかなめはお互いの「こわいという率直な気持ち」を確認し合い、手を握るのですが…ここで宗介が誓った内容は、実のところ、とても厳しいです。「守る」範囲がとても大きいんですよ…そうですね、宗介一人の力では到底及ばず、かなめとともに力を尽くしても遥かに至らない程度には。まあ、だからこそ、それでも前を向いて進む、という彼らの悲壮な決意は、怖くて厳しい状況の中での笑顔は、激しく僕らの胸を揺するのですが…。

 で、今話です。

 学校丸ごとを人質に取られている宗介とかなめは、その学校の全てを守るための策を練り、宗介の兵士としての経験を生かしたギリギリのブラフや、かなめのウィスパードとしての能力までフル活用したその妙案はなかなか順調に進むわけです。

 と言っても限界があり、恭子まで簡単に助ける程都合良くはいかず、クラマたちの反撃に逢ったり、タイムリミットが迫る中で一か八かの選択を強いられたりとスリリングな展開も用意されていて、ご都合主義と感じる暇もないくらいに手に汗握るのが何とも好バランスです。予想外のレイスの協力や強運も味方につけての「辛うじてのミッション完了」という展開は、そこそこ良いカタルシスをもたらしてくれます。

 しかし、これらは「ある程度の敵の手の内が想定できたから」こそ、上手くやれたものです。クラマがもう少し用意周到で、奥の手があったならこうはいきません。実際、ここからはほぼ全てをアドリブで切り抜けなければいけない、何が起こるか予想できないミサイル強襲からの一連の戦いは、それまで以上に厳しいものになるわけです。

 その初っ端、ミサイルの着弾をかろうじて避けたアーバレストが、レイスと恭子とともに地面に着地した後の、恭子のあの大怪我は…痛恨の一撃と言っていいでしょう。この時、レイスが何度も宗介に呼びかけているにもかかわらず、宗介は微動だにできずにいます。動けないでいる間の宗介の気持ちについては、言葉では何ら語られないのですが…ここで宗介の誓いを思い出すと、その思いを推し量ることができます。

「だからオレは全てを守る。
 君に属する、全ての世界を護衛する!」



 失敗した。


 傷付けてしまった。


 守りきれなかった。


 恭子を。かなめの親友を。かなめの大切な日々の一部を。守らなければいけなかったもの、守りたかったものを。


 ……動揺せざるを得んでしょ、これは。例えその前提が「あまりに大きすぎる誓い」だったのだとしても、宗介は恐らく、「本気で守ろうとしていた」のです。

 だからこの後、襲ってくるコダール3機を相手にしている間中、ずっと宗介は「顔を伏せたまま」なのです。恭子を守れず、この学校を、この街を、そこの人々の平和な暮らしを、かなめの住む世界を、ついに自分のせいで荒らさねばならなかったが故に。


 「守りたかったものを、守れなかった。」という宗介の辛さは、見ているこちらにも染みてきました。しかし、彼女は…彼女も、全く同じ辛さを感じていたのでしょうか…。




 アーバレストへのプログラミングが終わって、宗介が出撃する前、宗介はかなめにUSBメモリを渡します。

「オレが戻って来なかったら、これを読め。
 潜伏先と連絡手段が書いてある。」

「戻って来なかったらって…。」

「…わかるはずだ。」


 この時の宗介は、敵と刺し違えることになってもかなめの身だけは守る、という覚悟を決めているわけです。でも、ここでかなめは、USBメモリを掴むか、宗介の手を取るか、迷うんですよ。この言外の葛藤が、なかなか悶えます。明快な言葉にすると壊れてしまう類の、淡い葛藤…。つまりかなめの思いは、宗介のそれとはズレがあるんですよね。少なくとも、かなめは宗介が犠牲になって自分が助かるという選択肢を、良しとはしていません。そう言えば、宗介が電話でクラマに向かってブラフを吹っかけている時に、「(かなめの)引き渡しが済んだら、オレはそのまま消える」という宗介の言葉に、かなめは大きく反応しています。宗介自身はデタラメを言っているのですが、まだかなめには宗介の意図が分かっておらず、宗介がここからいなくなってしまうのか、と思って動揺したんですね。かなめには、自分がどうなるのかということと同じくらい、宗介がどうなるのかが大事なんです。

 結局かなめは宗介の差し出したUSBメモリの方を取る=宗介の意思に従う選択をしたわけですが、それは「宗介を犠牲にして自分が助かる」という道を認めたわけではないのでしょう。宗介が困難なミッションを完遂して、ちゃんと結果を出すと信じよう、ということなんですよね。宗介を信じよう、と。だから、その後も宗介が言ったとおりに隠れ、宗介が成功することを信じて待とうとするのですが…ウィスパードの力がもたらした予知が、かなめを走らせます。宗介が窮地に陥ってしまうのを、見過ごすわけにはいかないんですよね。


 レイスが手当てをしようとしている、怪我をした恭子を見て、かなめもまた動揺します。


 恭子を、巻き込んでしまった。


 自分を狙った襲撃のせいで、恭子が助からないかもしれない。


 ごめんなさい…ごめんなさい…。


 ……これもまた、すごく辛い気持ちがこちらに伝染しかねないシーンですが…違うんですよね、宗介とは微妙に、辛さから導かれる方向が。「守りたいもの」は同じでも、それを「守れなかった」時の彼らの思いの方向は、ちょっとだけ違います。

 宗介は「やり遂げることができなかった」という後悔の色が濃いですが、かなめは「自分のせいで巻き込んでしまって申し訳ない」という、自責の念が強いんですよ。


 そして、究極的に「これだけはどうしても守りたい」という願いをかなえるための方向は、宗介とかなめでは180度違うんです。何故なら、お互いがその究極的に守りたい人だからです。宗介は、かなめを守り抜くためなら自分の命も厭わないですが、かなめもまた、宗介が殺されるぐらいなら自分の身を犠牲にするのです。宗介の思いでは、かなめを止められないんですね…。

「もうやめて!」


 かなめがベリアルの前に立ちはだかる時の、宗介のひきつったような呼吸音が…。こっちまで同じような音を立ててしまいそうじゃないですかっ!!極上の演技過ぎるだろ…。


「聴こえたよね…相良くん!!」


 この、レナードの勝ち誇ったようなあざ笑うような声が…マヂで憎ったらしいわ!TSRのScene09「彼女の問題」でも、そのあまりの卑劣っぷりに「ヌッコロs(略)」を連呼せざるを得なかった私だが!!今回のこれも最上級に下劣だな!!こぉのムッツリスケベめ、今に見てろよ、我らがソースキー・セガールの駆る最新鋭のAS「マイティエックス」がきっとお前を!!(←マイティエックスネタ好きだな、お前)


 同じ思いを胸に、困難な道でも共に進もうと手を取り合った二人なのに…切羽詰まる状況に追い込まれて、「正反対」を選択せざるを得ない二人…。

「もういいの!!

 ……さようなら。」

「……絶対に!!
 絶対に、連れ戻す!!

 絶対に、絶対に!!
 この場に、絶対に連れ戻す!!

 千鳥ぃーーーーーー!!!



 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!


 この、「血を吐くかのような叫び」は……辛すぎるじゃねーかホントに……自分の一番大事なものが目の前でふっといなくなってしまう経験が一度でもあったら、こんなん平静に見られるもんか!!!


 アルとのお別れもね、サブモチーフではあるけれど、やはり辛かったね…これもまたやっぱり「守れなかったもの」なんだよね。あの「予感がするからです。あなたとお別れする予感です。」っつーのもね、AIだってことを忘れるくらいにもう人間臭すぎて、あとの別れが辛いのなんの。このシーンで、アルの言葉に動揺する宗介の目の前を横切り、パーっと飛び立っていくのが「平和を思わせる白いハト」に見えるのがまた何とも…。


「ご苦労だった…

 除隊を……許可する!!」



 こんなにも、「守れなかったもの」に溢れて、どこまでも彼らの運気は沈んでいくばかりなのでしょうか。



【それでもまだ、戦力はあるさ】
 今シリーズは、ホントにこういうバランスが絶妙です。それは、じっくり描くだけの時間的余裕が無いことと裏腹の、嬉しい意味での副作用なのでしょうが…それにしてもこれは、毎度のことながら「絶品」と言わざるを得ません。

 全体の2/3の過ぎたかと思う頃、メリダ島側の描写に入るのですが…こちらはこちらで、奪われに奪われ、守れなかったものがゴロゴロ転がっていそうなところから入るわけですよ。テッサの退避のためにカリーニン少佐はその場に残り、その退避の途中でもヤン伍長が撃たれ、今まさに引き金を引かれようという状況にまで至って…。


 ああ。


 神も仏も無いものか。


 ここでも、こうして守れないものが溢れるばかりなのか…。


 というその刹那に、辛うじてその窮地を救うマオのスナイプが、実に痺れます。ここ、旧劇エヴァの「シンジを殺そうとする戦自隊員を強襲するミサト」をつい思い出しちゃったんですけど、これって明示的なオマージュなんですかね?いっそ「悪く思わないでね」までやってくれれば…って、いや、いいんだそんなことは!

 こちらも敗走劇ではあるのだけど、辛うじて隙間を縫うようにして突破していく様が、そしてこんな時でも「いつもの自分たち」であろうとする彼らが、次第に高揚感を生んでいくんですよ。

「アッハ!そうこないとねぇ!
 愛してるわよ、テッサ!」

「私もです!」


 このテッサとマオのやり取り、いいよねぇ!窮地に追い込まれても平常であろうとする人の姿は、私にはたまらないのです。だって、どうしたって悲痛な顔になっちゃうじゃないですか。辛い時には辛い顔になっちゃうもん、どうしたって。そこで「いつもの自分であろう」と振舞える人は、やっぱり強いんだよ、憧れるんだよぅ。

 その後の、マデューカスさんがまた痺れるんだわ。

「お待ちしておりました、艦長。
 七つの海を支配する、人類史上最強の船、
 トゥアハー・デ・ダナンは、いつでも出航可能です!
 どうぞ、ご命令を!」


 この、流れるような「定型句」の美しさ…凛とした趣で姿勢を崩さずに一気に言葉を紡ぐマデューカスは、これだけでももう震えが来るくらいにカッコいいのですが、その後のテッサとのやり取りがまた…。

「マデューカスさん…

 全く、呆れました。
 こんな時に、まだ規律?」

「こんな時こそ、規律が、
 最も大切です。」

「……………。
 総員、乗艦!」


 うへぇ……たまんねぇわ、このカタルシス…この人たち、今から敗走するところなんだよ?なのに、この毅然とした様はどうだい…信じられんくらいにカッコいいじゃないか!!

 マデューカスが言うように、「こんな時に、何が最も大切か」ということを、考えずにはいられません。確かに、被害は甚大、戻って来ない尊い命は数知れず、守れなかったもののことを考えると辛さに胸が張り裂けそうになるけれど…でも、まだ終わっちゃいない。少なくとも、自分たちが目指したものは、その心は、まだ折れていない、失っていない。そのことを表す彼らの姿が、途方も無い高揚感となって僕らを泣かすんですよ。

 出航したトゥアハー・デ・ダナンの前に立ちふさがるベヘモスCに、テッサはこう言い放ちます。

「上等よ。

 全弾発射と同時に、最大船速!!」


 あくまで戦って突破するつもりのテッサの言葉に、意表を突かれたようなマデューカスの表情が、実に味わい深いですが…その後の「アイアイマム、全弾発射と同時に、最大船速!!」の復唱がまた、すんげぇ痺れるんだよ!!オレが親父キャラ大好き人間ってことを差し引いても、この味のある表情・声の「アイアイマム」には、個人的に金一封を差し上げたい!!

「ひるまないで!
 前進そのまま!!」


 ここの作画と動画!!素晴らしいじゃないですか!!うねる様な動きで、抉りこむように「前進」を表す、テッサとミスリルたちの前のめりの姿勢が、このシーンだけでも流れ込んでくるようだ!!

 そしてベヘモスCへ直撃し!

 そのまま海上に持ち上げて!!

 でも、ベヘモスCも態勢を持ち直して、トゥアハー・デ・ダナンへの発砲をしようとしたその瞬間に!!!





 あっ……………。





 この、「セオリー通り」にベヘモスCの頭部コクピットを、正確に二回打ち抜いて、一瞬で瓦解させた遠距離射撃は……。(コンマ二秒で理解)





 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!





「へへっ!
 来ると思ったぜ!!」
「ギリギリで間に合ったな。」






 ふんぬがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!





 もう!!!もうもうもう!!!!ボロボロと!!!!もうボロボロと泣くしか無かったですよ!!!!いや、そうだろうとも、クルツとクルーゾーはまだ退場するには早いと、思ってはいたさ!!だけど、こぉおおおおおおんんなカッコイイシークエンスで復活さながらに帰還するなんて、カタルシスメーターが振り切れまくりだろおがあああああああ!!!!



「全く!
 しぶとい奴らです!」

「それがうちの強みです。」




 もう、拍手喝さいの勢いですよ!何で敗走劇なのにこんなにカッコいいのか…それは、彼らがこんな苦境にあっても「折れない心」でまだ前に進む様をきっちりと見せてくれたからなんですよね…。そう、戦力は、まだあるんです。彼らの心が折れていない限りは…。






 ラストシーンでは、陣代高校に今一度訪れた、宗介の様子が描かれました。



 恭子に怪我をさせたことに何も思っていないのか、お前は友達じゃなかったのかと責める小野Dもまた、痛く辛くはあるのですが…ここで最敬礼をしたままの宗介も、「お前、何も感じねぇのかよ!」と言われてピクッと体を震わせる宗介も、すごく痛くて辛いです…守りたかったものを守れなかった宗介が、何も感じていないわけが無いんだよね…。

 でも、宗介は、言い訳をしません。

 ただ、一つだけのことを、旧友たちに伝えるのです。「千鳥が戻ってきたら迎えてやってくれ」と。



 自分の弁明はせず、かなめのことだけをお願いするんですよ。じゃあ、かなめを連れて帰った後、宗介はここには戻らないつもりなの?



 何も言わず、「学校の敷地」から、「一歩」を踏み出す宗介。



 彼が仮初めの暮らしを過ごしたこの平和な世界には、もう彼は戻らないのかもしれません。



 そうして彼が赴く先は、戦場なのでしょう。



 そう、この世界に戻るべき人、かなめを連れ戻す、ただそれだけのために……。






 今話レビューはホントにギリギリの滑り込みになってしまい、自己嫌悪しきりです。せめてもうちょっとちゃんと立て直したいなと思っていますが…私自身も折れない心で、彼らのこの先の地獄に、引き続き付き合っていきたいと思います。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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