Old Dancer's BLOG
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CurioSoundのハイレゾ化機能がバカにならない件
 ハイレゾ化 ああハイレゾ化 ハイレゾ化

 ……「ハイレゾ」そのものについても、私は手放しで喜んでいるわけではなくて、実のところ、かなり否定的に捉えている部分もあります。かみ砕いて言うと、「アレはあくまでフォーマット、規格だから。言ってみれば、入れ物のキャパシティを規定しているだけであって、そのキャパシティに見合うだけの元が無いと全然ダメダメだから。」という感じ。実際、「うおおおおおお!!!これはすげぇ!!!うおおおおおおおおおおお!!!!」とかなるハイレゾ音源がある一方で、「……え?ハイレゾ?これで?えぇぇぇ???」とかなっちゃうハイレゾ音源もあるわけで、結局、そのフォーマットのポテンシャルを生かした音源となるかどうかは、その調整に関わる人間の能力・大元の音源のクオリティに完全に左右されちゃうわけであります。

 また、アナログマスターが生き残っててそこからハイレゾマスターを起こし直しましたー的なヤツは結構期待できるのですが、元々CD用の44kHz&16bitマスターしか残ってないのでこれをハイレゾ用にリマスターしましたー的なヤツは、実際のところ当たりと思えるのは私の経験上は半分にも満たない感じでして。「ハイレゾ化すれば全部音が良くなるわけじゃねぇから。単純にフォーマットだけ変換したって、音は変わんねぇから。元々欠けちゃったところを補完するったって、やっぱり限度があると言うか、無理なもんは無理だから。」というのが正直な感想だったんです。けいおん!のハイレゾ音源がしばらく前に出ましたが、あれは当たりの方。ただし、44kHz&16bitマスターだったものを、デジタルマルチの各トラックごとにハイレゾ化し、エフェクトツールを当時使用したものに限りなく近く聞こえるようなものに再選定して、慎重にミックスダウンも全部やり直すという、言ってしまえば「そこまでするか」級の労力をかけてありまして、その甲斐あってか分解能が格段に上がっていることを実感できる稀有な例です。なかなかああいう例に巡り合うことは少なくて、「CDマスターをハイレゾ化しました」という注釈のある音源には、なるべく近づかないようにしている、というのが、私なりの線引きなのです。

 そういうスタンスからすると、ソフトウェアが自動でハイレゾ化してくれます、なんていうのは、もう、眉に唾付けすぎてびしょびしょになるくらいの危険案件としか思えないのですが…今回、デジオンから出てるCurioSoundというソフトウェアがキャンペーンで3千円ちょっとで買える、という話を読んで、ちょっと興味を惹かれちゃいまして。多分、何かに疲れてて、心に隙があったのでしょう(笑)。ただ、いくつか評判をピックアップしてみると、万事に効く!というわけではないことが分かった一方で、「効果が実感できるものも確かにある」的な評価が、それなりにあるんですよ。えー。いやいや、お金もらって書いてんじゃないの?という気持ちもありましたが、どう見てもお金もらっているようには思えない、個人のサイトでもいくつかそういう評判が読める。少なくとも、「全然ダメだった、金返せ」という評価が出てこないわけです。うーん。これは、「ダメ元」で試してみてもいいんじゃないだろうか、と。何度も言いますが、きっと私は何かに疲れていて、心に隙があったんだと思います(高笑)。まあ、3千円程度なら、授業料として払ってみてもいいかも、という気分になりまして。で、ええいままよ!とか思いながらポチっちゃいました。
 
 改めて整理して書きますと、今回ポチったのは、デジオンというところが開発している、CurioSoundというツール。何をするツールかと言いますと、本業は「音楽ファイルの再生」です。主要なフォーマットには対応していて、Windows上で動作する、と。まあ、これだけなら有料無料問わず死ぬほど選択肢のあるメディアプレイヤーの一つにしかならんわけですが、他のソフトに無い機能が、「リアルタイムでのハイレゾ化再生機能」と、「非ハイレゾ音源をハイレゾ化して保存する機能」の二つ。この、「ハイレゾ化」というのが、本当に役に立つかどうか、というのが焦点なわけです。

 単純なフォーマット変換~例えば、44kHz・16bitの音源を、96kHz・24bitのフォーマットに変換する~みたいなヤツは、ツールとしては無料のものもいくつか存在していまして、私も実際に試してみたことがあります。それらは、私なりの結論としては「全く変わらない」と。そりゃそうですわ、メッシュをいくら細かくしようとも、失われている情報を補完する作業が無ければ、「細かいメッシュ上に荒くぶった切られた情報が載ってるだけ」に過ぎませんもんね。笑っちゃうのは、絶対に変わってるわけがないにもかかわらず、「音が良くなった!」的なことを言っている人も結構いて、いやいや、それってどうなのよ、と。

 わかりにくいと思うので、もうちょっと視覚的な例えを試みますとですね…「傾き45度・水平距離1mの上り坂」があるとしましょうや。これをデジタル化(=縦横の情報のみで記録)する際に、水平距離25cm刻みでしか記録できないとします。すると、水平距離25cmごとに25cmの段を一段ずつ上る、4段の階段になるわけですよね。これは、デジタル化が終わってそれがマスターになっちゃうと、元々あった「傾き45度が水平距離1mの間ずっと続いている」というなめらかな情報は既に無くなってしまって、あくまでそこに近似する、「25cmごとに25cm上がる階段が4つ続いている」という、別な情報に置き換えられてしまうわけです。

 さて、そこで、技術的な向上があって、水平距離5cm刻みでのデジタル化が可能になった、としましょう。この時、大元の「傾き45度・水平距離1mの上り坂」という情報から再デジタル化を行いますと、「水平距離5cmごとに5cmの段を一段ずつ上る、20段の階段」という、かなり細かい情報が出来上がるわけです。これは、意味がある作業なんですよね。しかし、大元の「傾き45度・水平距離1mの上り坂」が無くて、いったんデジタル化してしまった後の「25cmごとに25cm上がる階段が4つ続いている」という情報しか無いとしましょう。ここから、5cm刻みの再デジタル化を行っても、出来上がるのは「25cmごとに25cm上がる階段が4つ続いている」という、全く変化の無い情報でしかありません。もちろん、5cmごとに刻み直されてはいますけれど、単純な変換では情報の中身は全く置き換わりません。意味のある作業を行うには、「この25cm刻みで4段上がるデジタルデータの大元は、恐らくこういうデータだったはずだから、その推測した大元からデジタル化をやり直す」みたいなことが、絶対に必要なわけですよ。この「大元を推測する」というのが、キモになるわけです。無くなってしまっている情報からどうやって「元がこうだった」を推測するのか、補完するのか。可能かもしれませんが、簡単ではなさそうですよね。

 このCurioSoundを開発したデジオンは、創業当初からハイレゾ対応の波形編集ソフトウェア「DigiOnSound」などでノウハウの積み上げがあったということで、その辺をこのソフトには惜しげもなく投入しているという話があちこちで読めます。まあ、それはそうなんだろう、きっとそうなんだろうと思うのですが…経緯はともかくとして、ホントにそんなに音が変わるのか?それが大事です。同じような触れ込みで、某社が自社で開発したツールを使ってプロユースの元で疑似ハイレゾ化したという音源をいくつか購入して聞き比べたことがありますが…その時の私の結論は「うん!全然変わんねぇ!(爆笑)」でしたから。ましてや今回のこれ、コンシューマ向けですよ?3千円ぽっちで完全自動でそんなに劇的に変わるんやったら、プロの人たちが困るでしょ。ねぇ。

 まあ、もうポチってしまったことでもありますし、御託はその辺にしておいて、実際に試してみることにしました。もう、このくらいの時には私も「やらかしたんじゃねーか」くらいの気持ちになっていますんで、ダメならダメで早々に結果が出るよう、非常に劣悪なソースを用意。KONAMIの音楽ゲームでブイブイ言わしているクリエータの一人で、私が割と好きな「猫叉Master」というアーティストがいるんですが、この方が数年前にCreviceというアルバムを出した時に、初回購入特典で、レア音源のダウンロードができたんですよ。当時のjubeaterや今どきのDDRerなら泣いて喜びそうな、Far East Nightbirdのkors kリミックス。これ、曲はすげぇカッコいいんですが、フォーマットが劣悪でして。形式はmp3で、44kHzの128kbps。おいおい一体いつの時代の音源だよ的な、実際に聞いてみると細部が潰れていて非常に悲しくなる、始まった瞬間に音がシャリシャリしてて天を仰ぎたくなる、曲がいいだけに非常に残念な音源なのです。

 こいつを、ダウンロード・インストールしたばかりのCurioSoundにぶち込みまして、「ハイレゾサウンドで聴く」を有効にしたまま、プレイしてみたわけです。

 すんげえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!

 え?いやいや、ええ??え、いやマヂっすかこれ。シャリシャリ感、さすがにゼロになったとは言わないけど、ほとんど気にならないくらいまで改善してるぞ?え?どういう技術なのコレ?ええええ?

 その先まで聞いていくと、更に驚きが。ほとんど潰れちゃってて「音が鳴ってること自体はわかるけど、それがどういう音なのかまでは今ひとつわからないパート」とかがですね、かなりクリアに聞き分けられるような分解能に変わってるんですよ!!ええええええ、いやいや、ちょっと待って、どういう技術なのコレ(二回目)。ええええええええ。

 その後、いくつか試してみましたが、前評判で聞いていた通り、効果がわかりにくい音源というのもありました。自分たちでホールに録音してもらってる合唱の演奏会関係とかは、私の感覚では違いが判別しづらかったです。ですが、先ほど劣悪なものでない、元のCD音源自体がかなり良質なものであっても、恩恵が得られるケースがかなりあるとこまで確認しまして、いや、これはすげぇなと。つーかですね、いつまで待っても一向にハイレゾ音源が出てこないYMOとかですね、既発のリマスター音源CDをCurioSoundでハイレゾ化しただけで、かなり幸せになれるんですけど!!もう公式音源が出なくてもいいかもしんない!!

 いいことばっかり書いてますが、悪いことも書いておきますと…環境によっては、ちょっと不安定なところがあるかも知れません。と言いますか、うちの環境では、ちょっと酷なことをさせようとすると余裕で落ちます(涙)。まあ、これはきっとうちのPCが「買い替え待ったなし」の、結構なロートルのせいなんですがね。あと、簡単設定を目指したことと裏腹ですが、ツールとしてはやや物足りない部分があったりして、発展途上かなぁという感想も持ってます。でも、このソフトのウリのハイレゾ化機能が信じられないくらいに有用なことが分かったので、もう値段分の元は取った気持ちになってますよ、あたしゃ。普段は、ハイレゾ化して保存のとこだけCurioSound使って、聴くのは前にゲットしたTuneBrowser使うのが良さそう。Windows以外の、例えばモバイル環境でのハイレゾ視聴とかは、うちは元々機器類もそろってるとは言えなくてまだこれからというところなんで、今はこれだけでもお腹いっぱいです。

 いやぁ。たまには心に隙を作ってみるのもいいもんだなぁ(爆)。
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