Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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声の届かぬ遠くへ、何故あなたは
 あの頃の物理的な距離の隔たりが、堪え難いほどに狂おしく切なく感じられたのは、私自身の若さと、まだ未熟だった恋心に由来するものだったのでしょうか。

 その後、私もそれなりに歳を重ね、少なくとも対外的には「初老」でも通るくらいの安定を手に入れました。今や、多少の物理的な距離では動じなくなったのだろうと、自分では思っているのです。しかし、それでもなお、堪え難いほどに狂おしく切なく感じられるような人との隔たりが、私の心を苛む時というのがあります。それが、「もう、この人には、私の声も、他の親しい友人の声も、全く届かなくなってしまったのだろうなぁ」と感じた時です。

 人の心は、時には強く在れることもありますが、総じて皆、弱いものです。何かにすがりたくなる時、甘えたくなる時。そりゃあ誰だってありますよ。私だって、この「初老」で通る今さえも、何者かにすがりたい、甘えたい気持ちになることはしばしばあります。そんな時に、頼れる人や甘えさせてくれる人が側にいるだけで、どれほど大きな助けになるか。

 そんな時に、すがってはいけない、甘えてはいけない、底なしの穴のような存在というものも世の中にはあるわけで。ちょっとした何かのずれや、やむを得ない経緯(いきさつ)などから、そのような陥穽に嵌ってしまう人は、少なくありません。心を閉ざし、外界との関係性を断ち切って、文字通り「籠ってしまう人」。ほんの少し前までは、そうではなかったはずなのに。こうなってしまう前に何もしてあげられなかった自分も悔しいですが、それ以上に、これからはもう一切何もしてあげられないであろう自分の「今」というものが、私の心に癒えぬ傷を刻み続けます。

 生きていく以上、何某かの「別れ」というものは付き物です。やむを得ない「別れ」の悲しみは、避けようもありません。しかし、生きながらにして「別れ」ることは、格別に悲しい。すぐそこにいるのに、まるで異なる世界を生きているかのように、全くの没交渉にならざるを得ないなんて…。人の選択はそれぞれ尊重されるべきもの。ですが、やはり私はこう言いたい。「そんな悲しい選択をする人が、少しでも減りますように」と。

 願わくば、見せかけの仕掛けではない人と人との輪が、或いは和が、一人でも多くの人を救えるような、そんな世界に近づきますように。
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