Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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緩やかに失われていく何かに。
 故・赤瀬川原平氏は1997年に「老人力」という概念を提唱し、老化による衰えの進行をマイナスではなく、「老人力がついてきた」とプラスに捉えることを提言したが、これは一時的に広く流行したものの、その後も長く続く言葉としては定着していないように思われる。

 1997年の私と言えば、30歳ちょうど。10代や20代のような体力の無さは痛感していたものの、まだ「老人力」という言葉を我が物として考えるほどは衰えていなかった。当時属していた合唱団では通算3回目の演奏会に向けて忙しかったし、日々大きくなる1歳の長男と向き合うのも楽しかったし、一方でひょっとすると自死さえあったかもしれないような職場の辛さを抱えつつ何とかやり過ごしてもいた。新しいことも、古いことも、その日のことも、楽しいことも嫌なことも、何もかもがまだまだ色鮮やかだったと思う。

 あれから19年が経った。

 感受性は見る影も無く衰えたし、表現しようとする意欲も目に見えて落ちた。体力の低減も如何ともし難く、情報を受信するための五感のアンテナも錆び付いて久しい。この後は更にその傾向が顕著になるだろう。その近未来を、自らの朽ちていく様を思い浮かべると、心底げんなりする。もう、次の世代にバトンを渡していって、自分自身は引き際を見定めるべきなのかもしれない。そんな考えさえ脳裏をかすめる。

 バカ言っちゃいけない。

 まだまだこれからである。個人的には、「次なる世代を押しのけてまで居座る」のは御免被りたいと思っているが、「次なる世代に全部託したか、渡し切れているか」と問われれば、まだ何も渡してなどいないのである。まだ、きっと話せることがある、彼らの役に立つことがある。多分、自分で立てなくなるまでは、やれることはまだまだあるのだろう。

 失われていくものを数えるよりも、新たに得られたものを数えよう。それは、きっと、「老人力」という概念的なものではない。どんなに刹那的なものでもつまらないものでも、現実の何かを数えようと思う。「今日のお酒は今までで一番旨かった」でもいいではないか。それが、自分と周りを照らす、明日の輝きになる。
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