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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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苦い涙の味を知って
 究極超人あ~るというマンガが、私が高校生の頃に流行った。その中に、傍若無人を絵に描いたような、先天的に偉そうなキャラクター、「鳥坂センパイ」という人が出てくるのだが、彼の名言の中にこんなのがある。

勝って勝って勝ちまくって今の私があるのです。


 憧れたものである。鳥頭(3歩歩くと全て忘れてしまう)にはなりたくなかったが、連戦連勝負け知らず、そりゃあ憧れる。多少間抜けなところがあろうとも、全部勝ち進んでいけたら痛快じゃないか。なぁ。

 だが、現実はそんなに甘くない。自分がどんなに頑張ろうと、敗北の二文字は繰り返し訪れる。当時の自分にも、どうしても負けられないと思っていた勝負が何度かあったが、やはり負けた。負けまくった。負けて負けて負けまくって今の私がある。正反対だ。

 ツーカイでいたかった。テンションを上げっ放しにして、留まる事を知らないバラ色の世界を全速力で駆け抜けたかった。でも、神様は、或いは運命は、そういう望み通りの行く先を、決して用意してはくれなかった。何故だろう。自分の努力が足りなかったのか。それとも、もっと大事な何かを見落としていたのか。いや、そもそも、神様か運命かは自分のことを呪っていて、暗黒の世界へとひたすら転がり落ちていく未来しか自分には用意されていないのだろうか。

 少なくとも…努力すれば報われる、という言葉が真では無いことを、高校生の自分は悟らざるを得なかったのである。
 
 さて。

 その後、私がどのような暗闇を潜り抜けてきたかについては、ざっくりと割愛してしまおう。なに、そんなもの、読んだって面白い話のはずもない。

 問題はその後だ。

 勝てないことは辛い。だから、人は強くなろうとする。しかし、この「強さ」には実は二つのやり方があって、そのことに気付くのに、私はかなりの時間を浪費したのだ。

 一つは、単純明快である。「勝てない」理由であるところの、自分の弱点を鍛え、次は勝てるように強くなる。大概思いつくのは、これだろう。わかりやすいし、目標も明確だ。次こそは勝つぞと、その誓いを胸に精進するのだ。美しいじゃないか。青春万歳である。

 ところが、「再戦」なんて許されないような勝負だって、人生の途中にはいっぱいある。そういう場合は、どうすればいいんだ。次こそは、と頑張ったって、次なんかないのである。一回負けたら一生敗北者のままか。あんまりじゃないか。

 それで、二つめである。「敗北した自分」という辛さを、乗り越える強さを身に着けるのである。自分自身に勝つ、と言い換えてもいい。こいつのいいところは、自分相手なら何度でも再戦がきくことだ。一度や二度負けても、三度目に勝てればいい。四度五度負けたって、六度目に勝てればいい。何度だってやり直しがきく。最終的に自分の中の暗い部分へと落ちてしまわなければ、それでいいのである。

 自分の場合、ものすごく時間がかかった。いや、ひょっとしたら今も、自分自身に負けないようにと、何十回目になるのかわからない再戦をやっているのかも知れない。でも、どうにかこうにか、沈んでしまうことだけは避けられているようである。時間をかけて、それなりに頑張った甲斐ぐらいはあるのかなと、今なら思う。


~~~


 今日、合唱部の後輩たちは一歩及ばず、最高の結果を出すことは叶わなかった。演奏の中身がどうであったかはここでは語るまい、それがコンクールだ。誰が何をどう思おうと、発表された結果だけが事実なのだから。

 皆、辛そうな顔をしていた。自分にも覚えがある、あれはものすごく辛いのだ。頑張った時間が長かっただけ、やり終えた充実感が大きかっただけ、届かなかったことの喪失感もまた大きい。その辛さは、結局自分で処理するしかないのだが、この瞬間の彼らにどう声をかけていいか、さすがにわからない。

 そうこうするうちに、高校生たちは貸し切りバスに乗り込んでしまい、後は見送るだけとなった。どうしよう。何もできないままか。ちょっと考えて私は…せめて、精一杯の笑顔で見送ってあげようと思った。


 バスに向かって手を振る私を見て、大学生のOBがこう言った。


 「てりぃ先輩、ものすごく穏やかなイイ笑顔ですね!」


 そうだろう!とおどけながら、胸の奥底がチクリと痛んだ。
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