Old Dancer's BLOG
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中二病でも恋がしたい!戀 Epi.X「真夏の夜の…雨と鞭」
 アバンの中に「その回のテーマ」を凝縮して表現・提示してくる、京アニ往年のワザが久々に炸裂していますね。嬉しいねぇ。

 ここで示されているらしきものは、大きく三つ。一つ目は、「水たまりの中に映る七宮と勇者」。二つ目は、「勇太が広げる上着の影の下になる七宮」。そして三つ目は、「七宮の頬から剥がれ落ちそうになっている、ハート形のシール」です。

 それぞれ、一体何を指しているのか、いや、そもそも、これらが本当に何かを暗示しているのか…例によって答えは、明示されているわけではありません。が、この三つは、その後も繰り返して同じモチーフが引用されています。てことは、やっぱり何かあるんだろう、と。

 今回の記事では、その辺を私なりに掘り下げてみようと思います。時間ないんで、簡単に。
 
 まず、前提条件ですが。

 二期のシリーズには「水面下にある思い」というテーマが含まれているのではないか、と私は思っています。根拠としては以前にも書いた通り、OPの、一期と違って直立しない水平線のカットの辺り。あと、これは確か記事には書いていないと思うんだけど…今期のOPって、勇太が一切出てこないんですよね。一期には、ちゃんと出てました。左右に分割された画面の、あっちとこっちに六花と勇太を配置する格好で、結構重要な位置を勇太は占めていたんです。それが、今期は顔すら出してない。これは、勇太は主人公格じゃなくなった、という見方もできますが…七宮の、秘めた勇太への思いが主題になるならば、「OP中で勇太を描かない」というのは、含みの一つになり得るんですよね。

 今話は、その七宮の「表には決して出てこないはずだった思い」を、描き出しているんですよね。原作を先に読んでいた身としては、12話中の10話目にようやくお目見えとか、「一体今までどこをほっつき歩いていたんだ!」と年頃の娘を案じる父親ばりに怒りたいくらいのスロースタートなわけですが、その分、今までの焦らしを晴らすかの如く、がっつり描いてくれていると思います。



 アバンの「水たまりの中に映る七宮と勇者」の姿は、OPの水平線の含みそのまんま、なんだと思います。すなわち、水の下には、何かがあるんだ、と。表に出してはいないけれど、七宮の中には、勇者に向かう恋心があるんですよね。アバンでは七宮の過去の記憶として描いていますけれど、これと同じ構図が今話の後半で、現在の七宮と勇太のカットとして描かれます。今も、七宮の中には、勇太への思いがあるわけです。あの時と同じに。


 次に、「勇太が広げる上着の影に覆われる七宮」ですが、これはスパッと解釈し難いところですね。色んな考え方ができます。勇太の影響下にすっぽり入ってしまい、勇太の虜になってしまう七宮、なんて見方もなかなか美味しいのですが…微妙なんだよね。少なくともアバンのこのカットの後、七宮は勇太の虜になってないですし、Bパートの後半で出てくる同様のカットの後も、七宮はいったん、勇太のその影響を振り切るような素振りを見せているので…。

 これらのカットでは、勇太が広げる影の下に入っていくのを、七宮は口を開けて見入っています。「ああ、影に入っちゃう…」「勇太が広げる影に、覆われちゃう…」……そんな気持ちなのでしょうか。それは、七宮にとって、望ましいことではない。魔法魔王少女としての自分、拠り所としていた自分のアイデンティティ、そういったものが失われてしまうかもしれないという、「恐れ」「注意信号」のようなものなのかも知れませんね。


 七宮は、自分の力を失うのが、怖い。今までの自分じゃない自分になるのが怖いんです。もし恋に落ちたら、魔法魔王少女の自分ではいられなくなってしまう。そうなるのが怖いんですね。

 彼女の頬に貼ってあるチャームポイントの「ハートのシール」は、「魔法魔王少女としての自分」であると同時に、「自分の恋心」を示す一種のバロメーターとしても機能しています。あのハートを頬に貼っている間は、自分は摩耗魔王少女としての力を保っていられる。でも、ハートが剥がれ落ちてしまうことは、そのまま、自分のハートが恋に落ちることを意味する…上手い仕掛けですよね。

 アバンで剥がれかけていたハートは、その後、貼り直してもハラッと落ちてしまうほどになってしまいます。そして最後には、雨と涙で濡れて流れ落ちる様まで描かれていて、七宮の懊悩が実に良く伝わってきますね。


 さて。「勇太の上着」なんですが。

 さりげなく、中盤で「別の伏線」が貼られてたりします。プール帰りの図書館で、勉強もせずに寝こけている六花に、勇太が自分の上着をかけてやるんですよ。

 ここでは、上着は「影」を落としません。勇太の上着は、「人に影を落とすもの」ではなく、「人を優しく包むもの」なんですね。言ってみれば、これは勇太の優しさの象徴です。七宮にとっての、「自分のアイデンティティを覆い隠してしまう、不吉とも言えるもの」とは全く正反対。

 そして、実はそれこそが、「勇太そのもの」なんですよ。

 闇の者として影を落とす勇太ではない、真の姿。それが、「優しい勇太」。七宮が勇太に惹かれたのも、そこなんじゃないですかね。

 だから、「広げた上着が落とす影」は、あくまでも七宮視点のものに過ぎず。視聴者にとっては、大きなフェイクとして機能します。いったんはその落とす影に「勝った」と思わせて、しかしその後に真の姿~勇太の優しさが炸裂する、という。

 ズルいよ…。

 涙で流れ落ちる、七宮の心。彼女が泣きながら去った後には、もう水たまりの奥には「秘めた七宮の恋心」は映っていません。彼女の恋心は、表へと出ていってしまったのですね。水面の下には、「優しさを秘めた勇太の姿」が一人、映るばかりなのです。

 久々に、演出面が非常に京アニらしい回だったと思います。心行くまで堪能いたしました。残りはあと2回、かな。1クールって、あっという間ですね。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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テーマ:中二病でも恋がしたい! - ジャンル:アニメ・コミック

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