Old Dancer's BLOG
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宇宙戦艦ヤマト2199 第二十一話「第十七収容所惑星」
 第二十二話放映直前に、滑り込みで失礼します。いや、やっぱし劇場先行上映を見た直後はそちらに意識が引っ張られちゃって、どうにもこうにも…。すみません。

 まずは、EDの話から。ようやく、3つ目のEDが映像付きで流れたわけですが…。

 ガミラスの広間にあった壁画の男女が、デスラーとスターシャにフェイドするところで、思わず決壊しそうに。

 なんつーことするんだ!いや、これで正しいんだけど!すごく正しいんだけど!でもでも、第七章見てきた直後にこの仕打ちとか、どんだけ鬼畜なんだ!

 …とまあ、相変わらずのグッジョブさ加減で、残るテレビシリーズも最後の最後まで楽しませていただけそうで、嬉しい限りです。少なくとも、残念ながら制作が間に合わなかったために最小限の尺で公開された「第二十五話」部分は、テレビ放映版では完全な姿が見られると思いますし、それだけでもwktkじゃないですか。ねぇ。

 俺たちのヤマト2199は、まだ始まったばかりだからな!(いやいや、さすがにそれはどうなのよ…)
 
~~~


 …実際のところ、この一連のヤマトフィーバーがもうすぐ終わっちゃう、という寂しさは、隠しようもなく私の胸中を満たしているのですが…今は、それを脇に置いておいて、第二十一話の内容を少々語っていきたいと思います。

 劇場の第六章で見た時もそうでしたが、あの「七色星団戦」の直後とあって、どうしてもテンションの落差と言いますか、ギャップが生じてしまうのは致し方ないところです。でも、このエピソードを単体で見た時にどうかと言えば、これはもう間違いなく「実に良質な一話」でありまして。見た時には言葉にならなかった部分も含め、色々と心に残るとこが多いんですよね。

 その中心にあるのが、伊東保安部長の死なのは間違いないんですが…それ、単純にそれ一つで泣かせに来てるのかというと、そうではないんですね。単に「実はいい人でした」という話などではなくて。言葉にするとすごく鋭い印象になってしまいますが、あえて言いましょう。ここには「偏見」「差別意識」「強固な思い込み」というものが裏に流れている気がするんです。



 レプタポーダにあるガミラスの第十七収容所。もうね、これ自体が先入観かもしれませんが、「収容所」って響きからして不穏なものが湧き上がるじゃないですか。そこに来て、典型的と言って差し支えない、そこの所長・ボーゼンの描かれ方が…ホントに絵に描いたような小悪党ですよね。恐らくは違法に行っているだろう囚人の射殺ゲームやら、物資の横流しやらもそうですが、性根がどうにもならんように描かれているとこまで含め、非の打ちどころのない(?)小悪党です。

 このボーゼン、どうしてこういう形で出てきたんだろうと。

 厳格で融通の利かない小役人、て描き方でもいいと思うんですよ。だけど、そうではなくて、あえてワルい人にまで落としています。反旗を翻したメルダたちの正当性を明確にするため?いやいや、彼女らがそうしたのは親衛隊の横暴やこの国の行く末を思ってのことであって、ボーゼンが行っている非道のあれこれとは直接関係がありません。やはりここは、別な目的があってあえてこう描いているのだろうと、そう思えます。

 で、思い当たるのが、ボーゼンの見せる差別意識をベースにしている数々の行動なんですな。こういう、どうにもならん差別意識というものが、この世界には存在するんだということを、改めて浮き彫りにするためなんじゃないかと。世界に存在する差別の象徴として、ボーゼンは投入されたのではないでしょうか。



 その反対側から見てみると、そのことが一層よくわかります。

 ボーゼンの反対側というのは、差別される側として描かれているノランです。今話におけるノランの一連の行動は、「差別意識」にさらされている立場であることを踏まえて配置されています。一つ目は、これ。次元潜航艦UX-01の中での、雪のセリフです。

あなた、ガミラス人なの?


 雪には、他意は全くありません。でも、ノランは歯噛みするような顔をして、揺さぶりを受けています。彼は、二等臣民として、純潔ガミラス人から差別される日常を過ごしてきたのでしょう。そう言えば七色星団戦への出撃前に、バーガーから「(二等ガミラスの軍隊が)信用できるか怪しいもんだ」と挑発を受けた時も、自分のガミラス人としての誇りを示すべく国歌を歌い始めたのが、このノランでした。

 二つ目は、ボーゼンとの対峙ですね。

ノラン「俺たちだってガミラス人だ!」
ボーゼン「黙れぃ!劣等人種が!」


 説明の必要はないでしょう。むき出しの偏見と、それに抗おうとする心と。

 ただ、付け加えるとするならば…この場を救ったのはユリーシャとして振る舞った雪でしたが、別な結果もあり得たように描かれているのが実にいいです。「野郎!」と言ってボーゼンに突っかかろうとしたハイニと、それをいったんは止めておきながら、その後は自分が我慢できなくなってまさにボーゼンに殴り掛かる寸前だったフラーケンと。この二人、一筋縄ではいかない荒くれ者の軍人のはずですし、ハイニなどは先のバーガーとノランたちの一触即発な雰囲気を歓迎している素振りまであったことを考えると、意外と言えば意外です。でもこれは、「この二人も実はいい人」という描写ではないのだろうなと。人にはそれぞれ、許せない部分、譲れない部分というのがあるんだと、むしろそういう風に私は捉えています。そして、過度に差別的な行動というのは、許せない部分として引っかかりを覚える人が多いんですよね。

 同じガミラス人であっても、その非道を当たり前のこととして振る舞う人間もいれば、許せないものとして憤る人間もいる。そういうことなのでしょう。

 そして、三つ目。雪を守って同族を射殺するノランのシーン。

ザルツ人……我が……同胞です。


 この、苦悩に満ちた声からは、彼の重い葛藤が伝わってきますよね。差別を受け続ける者として、同じく虐げられている同族への思いは、非常に深いはず。でも、それを越えてでも、ノランは雪を守りたいと願ったのです。

 差別をすること、そして、それに抗うこと。でも、それを越えて人を動かすものが、人の中にはあるってことなんです。



 伊東の立ち位置は、上記の「ボーゼン」「ノラン」が示す諸々を、ヤマトサイドで体現している人物と言っていいでしょう。もちろん、伊東は差別される者自身ではありませんが、その部分はユリーシャが補ってくれています。

 結局、伊東の中では、ずっと偏見や差別は残ったままなんです。七色星団戦の描写で「宇宙人の言うことなんか聞いたらみんな死んじまう」という主旨のことをあえて言わせていた通り、クーデター後に独房に入れられてからも、彼の思想の根っこの部分は変わっていません。そう簡単に修正できるほど、彼の中にある差別意識は軽くないのです。だから、シーガルの中でユリーシャに対する行動にもそれがにじみ出ていました。

 ユリーシャが死者を弔う様を見せたことで、伊東の中にはちょっとだけ、気まぐれのような感情が起こったのでしょう。だけど、そのことだけで根本的に変わったわけではなく、相変わらずユリーシャを「宇宙人」と呼ぶくらいには、差別意識は残っていました。

 その伊東が、最後の最後に、自分の中にあるものを越えてまで願ったのが、「ヤマトの目的の遂行」だったんですね。

 「宇宙人の言うことなんか聞くな」というのが伊東の本音のはず。だけど、最後の最後には、その宇宙人に、「ヤマトをイスカンダルへ頼む」と。宇宙人に対する不信と差別意識を越えて、地球が救われることを願ったわけです。



 どうしようもない偏見や差別は、内外に向ける惨い悪意は、どこにでもあります。ガミラスにも、地球にも。

 だけど、それを越えてでも、願うもの。悪意ではなく、他者が救われることを願うもの。これもまた、ガミラスにも地球にもあるんです。

 今話冒頭のシーンで、自分たちを襲撃したザルツ人の亡骸も同様に弔っていたのは、そのように「超えてでも願うもの」につながるシーンだったように思います。これは、旧作では七色星団戦の回のラストに配置されていたパーツでしたが…次の回に持ち越されたのは、単に尺の問題だけではないのかもしれません。

 また、今話ラストで明らかになる、ガミラスとイスカンダルとが双子星であるという事実は、これもまた、「悪意と救いとがほとんど同じところに同居している」という暗示を示すパーツなのです。そしてそれは永遠に二つに分かれたものではなく、いつでも相互に変わり得る、ということをも。

 今は離れ離れの古代と雪。それゆえに、今はやや憎しみが先に立つ古代の心ですが、雪の示す救いを自分の手に取り戻して、再び平穏な状態になるのも、そう遠くはありません。



 ホントにギリギリでしたが、今回はこの辺で。
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テーマ:宇宙戦艦ヤマト2199 - ジャンル:アニメ・コミック

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2013/09/02(月) 21:45:02 | 月読みの森