Old Dancer's BLOG
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宇宙戦艦ヤマト2199 第十話「大宇宙の墓場」
 「ロボット」という、人間にとっての「異質なる者」をメインに据えた、果たして心とは、コミュニケーションとは何なのかを問いかけた先週のエピソードから。

 今回からは数話をかけて、「ガミラス人」という異星文明の人間とのコミュニケーションについて、そしてまた、地球人同士、ガミラス人同士という、同じ種族内のコミュニケーションについても、語られるフェーズに入っていきます。

 その舞台が、外界と通信すら取れない隔絶された異次元断層に設定されているというのは、これまた実に良いメタファーですな。作中でも沖田艦長の口から、「泥沼に足を取られた二頭の獅子」に擬える言葉が出てきましたが、この異次元断層が表すものを色々と考えると、ジャスイストとしてはご飯三杯は軽い感じです。ただ、そいつを言葉にするとどうにも嘘っぽくなりそうなんで、今回はあまり語らずに済ませますけど(えー)。そういうのがお好きな方は、任意の二者~メルダと玲、ネルゲ大尉とラング艦長、沖田艦長とその他の乗組員等々~を想定して、異次元断層のような閉じたコミュニケーションや、「発した通信(言葉)が中で反響して外に出ていかない(≒自分に返ってくる)」ような何かを考えてみると、なかなか楽しいですよ。

 墓場、と呼ばれるような場所であっても、その意思と内なる正義とを見失わなければコミュニケーションを駆使した脱出が可能、なんてのは単純に燃えて好きですしね。
 
 少し詳細を検分しますと、反面教師となるような、良好でないコミュニケーションの例がいくつも散りばめられているのに気付きます。

 冒頭のゼーリックとゲールの、ほぼ一方的なやり取り、なんてのもそうなんだろうなぁ。ゲールの小物っぷりについ目を奪われちゃいますが、まあ、あれだと、更に力は発揮できんわな、とか。軍の上司・部下ではありますが、もうちょっと、なぁ。

 ガミラス艦・EX178内での、ネルゲ大尉の非道っぷりもなかなかのモンです。目的(ヤマトを置き去りにする)のためなら手段を選ばんってことなんだろうね、こいつは。ちなみにこの辺の非道さは彼固有のものではなく、彼の属する親衛隊そのものが実にアレなのですが、まあその辺はおいおい出てきますので…。

 ゲールにしても、友軍艦・EX178をあっさり無きものにしたり、ガミラス高官の娘・メルダも見殺しにしようとしたり、異次元断層に取りこまれそうになった時に他の僚艦を見殺しにしたりと、劣悪なコミュニケーション不全の限りを尽くしてくれますねw これは、ゲールの無能ぶりの描写、というのもポイントの一つなのでしょうが…今の私はそちらよりも、コミュニケーション不全の代表例としての描写の方に惹かれる気持ちです。

 今話においては、これらの「良好でないコミュニケーションの例」は、全てガミラス側に振られています。これ、ともすれば「ガミラス人の非道ぶり」という方向に受け取られかねないんですが…あえてそうしている気もしますね。第一話からここまで、ガミラス側から一方的に蹂躙される地球、という構図を崩さぬまま、ストーリーは紡がれてきたわけですが、ここでもそのイメージを大きく壊さないように保っているんじゃないのかなと。

 そしてまた、今話では同時に、そこに対する楔をいくつも打ち込んできてもいます。一つ目には、地球人とは全く相容れない存在だろうと思われていたガミラス人が、肌の色以外は全く地球人と変わらない風貌だった事。二つ目には、「先制攻撃をかけたのはテロン人だ」という、これまでヤマト乗員が信じてきた「事実」と正反対のメルダ少尉の発言。そして三つ目には、沖田艦長とラング艦長が交わして見せた、最上のコミュニケーションの在りよう。

 …本当に、ガミラスは決して理解し得ない存在なのか?

 …ねぇ?

 まあ、今話で結論が出るものでもないんで、これ以上は差し控えますが。

 上記に挙げた沖田・ラング両艦長のコミュニケーションは痺れますよね。この二人、脱出作戦実行前には感謝の意を伝え合っていますが、その後は相手に対して互いに無言なんですよ。牽引ビームが切られた時にも、沖田艦長は何も言わず、慌てることもせず。そして、反逆者=ネルゲ大尉を倒した後、当然のこととして曳航ビームを再接続させるラング艦長。この二人、それぞれが「信頼」というコミュニケーションを持続しているんですよね。

ヤマトか…賞賛すべき敵だ。


 ラング艦長のこの言葉は、切られた牽引ビームに対して何の動揺も見せなかったヤマトの振る舞いに対して向けられたものでしょう。裏切られた、と思ったヤマトが、何らかの反撃に出たとしても不思議ではないですからね。もちろん、波動砲を撃った後にはヤマトには主砲を撃つエネルギーも無かったわけですが、仮にそれがあったとしても、沖田艦長は攻撃させなかったように思います。

 ゲールがEX178を撃った時のラング艦長の無念そうな、しかし動揺とは無縁の表情は、見ている僕らに何かを残します。また、この宙域から去る際にEX178の残骸に向かって敬礼を送る沖田艦長の姿も。どちらも、揺ぎ無い姿なんですよ。目指すべき成長の先、とでも言うのか…。


~~~


 この両極に挟まれるような位置付けで、まだ良し悪しを決定付けられないコミュニケーション、というものも、今話では描かれています。

 山本玲とメルダ・ディッツとのコミュニケーションが、その最たるものですね。

 愛する兄をガミラスとの戦争で亡くしている玲にとっては、メルダは信用できない、決して許すことのできない敵(てき)にして、兄の敵(かたき)です。

 対するメルダは、そこまでの個人的な感情はないにせよ、使者に銃携行で応対する地球人を、野蛮で好戦的な種族と挑発するなど、不穏な要素にはこと欠きません。

 普通なら、良好なコミュニケーションなど望むべくもない二人なんですが…でも、今話の描かれ方はなかなか憎いところに落としてくれています。代々の軍人の家系であるメルダは、軍人としての己の規範に誇りを持っているんですね。そして、同じ戦闘機乗りである玲に対して、わかり合える部分があるはず、という信念があるように描かれています。

敵だと思うなら撃て。躊躇うな。


私たちの間に、こんなものは必要ない。


 痺れるよねぇ…。

 まあ、まだ玲の方は「ガミラス憎し」の呪縛のさなかなので、良好なコミュニケーションにはなっていないのですが。でも、先にはまだ希望が持てるような、そんな描写なのが実にいいです。



 今話では、本作において三発目の波動砲も撃たれました。でも、攻撃手段として、ではないんですね。試射も兼ねて行われた一発目を除き、波動砲は直接敵に向けられることなく撃たれています。

 敵味方の間であっても、それは撃たれるべきではない、ということなんですかね。この辺も、「コミュニケーションの在り方」を暗示しているパーツなのかもしれません。

 他にも、とある場面における沖田艦長の無言の表情とか(触れること自体がネタバレ…)、戻るべき艦を失ったメルダの心境を表す「ガミラスの高貴な色と同じ青い花が床に散らばるラストカット」とか、機械翻訳がすごくあっさりなされる=言葉の問題がコミュニケーションの本質では無いという含みとか、噛み応えの十分な要素てんこ盛りでございました。次回も、じっくり噛みしめたいものです。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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テーマ:宇宙戦艦ヤマト2199 - ジャンル:アニメ・コミック

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