Old Dancer's BLOG
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氷菓 第九話「古丘廃村殺人事件」
 犯人は……私です!

 「「「お前かよ!」」」

 ……というオチの、ギャグテイスト新感覚ミステリーという方向でどうだろう?そうだな、タイトルは……「そして誰も笑わなかった~ハイ、ソンれまでよ」で…。


 ……え?


 みんなで斬新な企画のミステリーを考えよう、という趣旨じゃないの?え?えぇ?


 …………………………。


 ……どゆこと?(お前のアタマがドユコトだよ!)
 
 さて。


 以前から何度か公言しております通り、謎解き自体にあまり興味を惹かれない私としましては、今回のレビュー書きは割と「ひゃああああぁぁぁぁ!」とか叫んで諸手を挙げて逃げ出したい勢いの内容だったりするのです。アニメとして退屈なわけではなく、十分に面白いんですけどね。でも、謎解きそのものについて書くことはあまり考えてないですし、謎解きの過程~それもまだ正解に至る道に入ってさえいない~が中心の回とあっては…レビューとしては一回スキップしてもいいかも、何て思っちゃう程度には腰が引けてます。(^^;

 ……まあ、これまでのこともあって、そういうわけにもいかないと思いますんで。

 書ける範囲で、気にかかったところをつらつらと書いてみることにしましょうか。そうですね、こういう回でも、「気にかかるところ」自体はいくつかあるんです。

 そうですねぇ、例えば「何故えるは酔っ払ったのか」なんてのはどうでしょうか?いや、そりゃまあ、キッツいウイスキーボンボンをぱくぱく食べてたからではあるんですが。


~~~


 ウイスキーボンボン。

 ちゃんと前回から小道具として仕込まれております。「ウイスキーボンボン」ではなく「頂き物のチョコレート」という言い方ですが、わざわざ時間を取って言及されていました。前回を見ていた時にも「何でわざわざ触れているのか」と気にはなったんですが、直接考察できるネタが前回の中には見当たらなかったので、特に触れずに済ませたわけですが…今回を見てみるにあたり、ちゃんとそれなりの扱いと言いますか、相応に意味のあるものとして扱われている気がします。

 表面を見たり味わっているだけでは、その中身の凶悪さに気付けないシロモノなんですよね、ウイスキーボンボンて。包み紙をよく読まなければ、見た目は「チョコレート」ですしね、先週言われていた通り。口に入れて、噛んでみて、ようやくキツいかどうかがわかるという。

 真実、というのも、往々にしてそういうものです。

 表面的にはそれなりに辻褄が合っていたり、そこそこ平和に見えたとしても…口に入れて噛むところまで行ってみると、奥底にはドロドロしたものが入っていたり、見た目と全然違うキツい関係が潜んでいたり。あー、ヤダヤダ。できれば触れたくないですねぇ、個人的には。

 触れたくない嫌なもの。この先にないと思いますか?私はあると思うんですよ。だって、今回三人から聞いた話をちょっと合わせて行くだけでも、何かもう、ボロボロじゃないですか。全然一枚岩じゃなくて、各人が自分の思いに任せてやりたいことやってるだけです。その真ん中で重要な役回りを任せられた本郷が苦しんでた様まで目に浮かぶようですもん。

 例えば、中城が序盤で言っていた「本郷の仕事は全員が認めていたさ!もちろん俺もだ!」なんてのは、全く信用なりません。中城自身が「脚本の本来の意図」というものを斟酌しようとさえしていませんし、小道具の羽場に至ってはもうハナから本郷を「ミステリーの素人」と決め付けて小馬鹿にし切っています。また、沢木口が貸してくれた、この企画の議事録をえるが読んでいるカットがあるんですが…見ましたか、あれ。ミステリーの企画をみんなで相談するのに、「凶器をどうするか」「死者数をどうするか」なんて議題が30以上も普通に討論されてるんですよ?あり得ないでしょ、そういう瑣末な部分から逆算して脚本を組み立てさせるなんて。「技術のないものがいくら情熱を注いでも…」という入須先輩の言葉がリフレインされてましたけど、もうここまで来ると技術のある・なし以前の問題です。責任を持たせる、役割を決めてその範囲を任せる、というような、大勢でモノづくりをする際の基本的な体制作りへの考え方が、まるでなっていません。

 まさに「舞台はミスキャストで一杯」(劇場版機動警察パトレイバー2より)というヤツです。そして、他の人間はともかく、少なくとも本郷は「その役を望んじゃいな」かったに違いないのです。

~~~

 触れたくない、この先の嫌な部分。彼らがここで手を引いて探偵役のアシストを終わりにしてしまえば、見なくても済むでしょう。このミステリー映画は完結させることができず、里志がいう「兵(つわもの)どもが夢の跡」というエンドでわびしく終わり、という展開も、現実の選択としてはアリだと思います。ただ…奉太郎・えるたち古典部の四人は、否応なしにそこに触れずにはいられない、そういう展開だと思うんですよね。

 だって。少なくとも「える」は、そのキツいものを、自分から望んで受け入れているんですから。

 他の三人は、キツいとわかった時点で、手を引いています。だけどえるは、そのキツさについて「変わった味」という感覚はあっても、物怖じすることなくその違いを更に見極めようと突っ込んでいってるんですよね。結果的に酔っ払ってしまい、ばったりと倒れることになっても、えるは自分の気持ちに忠実に突き進むんです。今までのエピソードでもそうですよね。彼女、気になったらその先に進んでいかないと気が済まない性質(たち)なんです。

 その片鱗が、今回上級生三人の話を聞いた後のえるの反応からも窺えます。

今の中城さんのお話は、本郷さんの本意だったと思いますか?
(中略)
ただ、ちょっと納得できなくて…。


私は…私は賛成できないです。
さっきの中城さんの案もそうでしたが、何か…違和感のようなものを感じます。
よくわからないんですが、本郷さんの真意はそこにはないんじゃないかと…。


違います、絶対違います!
沢木口さんの案は絶対に本郷さんの本意じゃありません!
(中略)
んんーー、違うったら違うんです!


 どれも、論理的ではないです。と言いますか、推理も何もありません。ほぼ完全に、感覚的なもの。だけど、思いは強く持っているんですよね。本郷の本意は何であったか、という一点に対しての。自分で理屈を付けることはできないけれども、真相に迫らなければいけない、本郷の真意を知らなければいけない、という強い動機が、えるの中には息づいているんです。

 翌週は入須先輩と奉太郎の会話で、何らかの次なる展開があるようですし、最終的な原動力がえるによるものになるのかどうかはわかりません。でも、この四人の中にえるがいる限り、「手を引く」という選択にはなり得ないと思うのです。




 最後にもう一点、えるが今回酔っ払う描写が入った理由と思われるものを。

 あの上級生三人、見ていて腹立ちませんでした?いやー、まーフィクションに対して本気で怒り狂うのは大人げないという気もしますが、ホントに怒っちゃいそうなくらい小憎らしく描かれていましたよね。「どうだぁ!」と叫んでの中城のドヤ顔とか(その直前のダディクールみたいな顔もインパクトありましたが)、羽場の終始イライラさせる周りを見下した物言いとか、沢木口の「如何にも頭使ってません」みたいな極楽ぶりとか。なんつーんでしょうか、三人三様に自己中な感じで、あえてそういう風に描いているわけなんでしょうね。

 こんなにも自分に「酔っている」ような連中に、真相なんて掴めるわけがありません。

 酔っ払ってしまったえるは、途中で意識を失って、机に突っ伏してしまいます。これは、「酔っ払ってしまってはその先に進めない、真相に辿り着けない」という含意のある描写なんですよね。上級生三人が真相には近づけない存在であることを、暗示しているのです。



 情熱や動機は強く持っていても、技術はない、える。その技術を補完すべき奉太郎は、次回どう動くのか。来週も楽しみに。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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テーマ:氷菓 - ジャンル:アニメ・コミック

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