Old Dancer's BLOG
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氷菓 第四話「栄光ある古典部の昔日」
 「ポニテと祝砲 第一号」



 いやぁめでたい!再びのポニーテール登場ですよ!しかもこれがまた、映像上の時間としてはすごく短いんだけど、描き方がとてつもなくフェティッシュで!おにぎりを握るえるのリズミカルな動きが、跳ねる髪とうつくしいうなじのコントラストを極限まで高めていましたよね!

 これぁ、アレだ。この氷菓という作品は、これら「一瞬のポニーテールの美学」を表現するためにこそ、こうしてこの世に生まれいでたのではないだろうかっ!つまり我々は常にポニテ萌えであり、またそれゆえに瞬間的なフェティシズムの到来を期待しつづけるのであるっ!決して即物的なエロ勢力の台頭ごときに屈しはしないっ!氷菓シリーズ構成賀東招二君の英雄的な指導に支えられた我々の果敢なる瞬愛主義(チラリズム)によっt



 ……え?そういうハナシじゃないの?……うそっ!
 


 そういうハナシなわけがないだろう>ぢぶん


 いやー、私がポニテでちょっち色めき立っちゃったのは事実なんですが(事実なのかよっ)、でも私がグッとキタのはもっともっと前、第四話が始まってすぐだったりします。


 あの、色合いが!!


 空気感と言いますか、くすんだ光加減と言いますか…誤解を恐れずに言えば、これは非常に「アニメっぽくない」ですよね。つっても、奉太郎についてよく言及される「灰色」ではなく、ちゃんとカラーなんですが…一般的なアニメでよく見られるような原色系の色遣いがほとんどなく、かと言って写実的な表現なのかと言えばそういうことではなくて。何らかの意図を持って、この雰囲気を積み上げるために、色彩を丹念に選択した結果のように思えたんです。

 やや話題が逸れますが、2004年から2005年にかけて京アニが二つ目の元請け作品であるAIRを制作した際には、あの世界に固有の空気感を精細に表現するために、非常に細かく色設定を積み上げた、という話があります。作品中で何度か出てくる「夕焼けの空の色」一つを取っても、たくさんの色設定…確か7つだったかしら…を作ったとか。この辺はAIR MEMORIES辺りのDVDだったか、石原監督へのインタビューで語られてたような記憶があるんですが…興味のある人は自力で裏取って下さい(爆)。

 そういうスタジオなんですよね、京都アニメーションって。

 意図する表現のためには労を厭わないと言いますか。長年ファンをやっていて、そのことはもうさんざんわかっているつもりなんですが、実際にこうして見せられるとまた感嘆のため息が出ちゃいます。やってくれるなぁ、と。

 じゃあ、その「意図する表現」って、今回は何なの?という件ですが…その前に同じ「色つながり」ということで、Aパート序盤の奉太郎と里志の会話について先に語っておきますか。


~~~


何をしていたって僕は僕だからねー。
染まってるわけじゃない。


 里志の言葉として語られているこのセリフ。いやぁ、ちょっとびっくりしたんですわ。少し自分の頭の中を軌道修正しておく必要があるんじゃないかしら、とね、そう思ったんです。もっとも、里志が語っていることが、この作品の中で提示したい内容とそのままイコールになるかどうかは、まだ何とも言えないところなんですが…。

 私の中では、奉太郎に代表される「ボーイミーツガール」の「ボーイ」のこの作品での扱いについて、以下のような認識があったんです。(第一話レビューより)

奉太郎を変えていく、大きなキーとなるのは…やはりえるなんでしょうね。


 少年が少女と出会うことで、何かが変わっていく。言わば王道中の王道じゃないっすか。それを信じて疑わなかったんです。

 でも、先の里志のセリフが、あのようにあえてたっぷりと時間を取って表現されていることを考えると…少年は、少女に出会っても、変わらない。この作品では、そういう認識に立って物語が紡がれていく可能性があると思うんです。

 それじゃあ物語として成立しないじゃないの。いや、そうではないんですよね。確かに少年自身は、何かに染まったり変わったりするわけじゃない。でも、そうして動じない確固たる「個」を持っている少年たち・少女たちが、それぞれの相互作用によって世界に変化を残すこと、それは否定されていないんです。

 そう、OPのあの波紋ですよ。

 奉太郎は奉太郎のままで、変化しないのかもしれない。でも、えるや里志や摩耶花の波紋を受けて、奉太郎自身も眩しく明るい空色の波紋をあんなに大きく広げることだってある。

 その重なりが、世界を色付かせていくんだってところはこれまでの解釈通りですね。そこに、それぞれが持つ揺るがない「自己」「個性」の肯定が加わるんじゃないかな。「灰色」ってのも立派な個性であって、その「灰色」さえも世界を色付かせる重要な要素としてそこにある、と。これを人間への賛美・賛歌であるとまで言ったら、さすがに言いすぎかしら?


~~~


 第四話を通じて流れている、あの独特の色合い。


 これは誰か一人の心境やコンディションを直接に暗示させるためのものではないでしょう。少なくとも、「ショッキングピンク」を自認する里志がいても、空はややくすんだ表現のままですし、前回ラストで創刊号が無いことにショックを受けていたえるの様子も、終始暗いわけではありません。奉太郎や摩耶花にしても、この色につながる何かは感じられません。

 そして、今回のエピソードでセリフのある登場人物は、この4人だけ。この4人の相互作用が、この世界にこの色をもたらしている、と考えようにも、微妙にずれている気がします。

 これに加えるべきパーツがあるとしたら…この4人が、45年前の真相に向けて迫っていく、という部分でしょうか。

 それは、多くの人にとってはとっくに時効になってしまったセピア色の時代です。明確な資料も多くは残っていない。断片的に存在する事実。なかなか見通しの効かない探索の道。そこに向かっていく4人を取り巻く世界の色が、今話のこの色彩なんじゃないですかね。


 そして、その世界は、最後まで「晴れない」んです。


もういい!
流すか…。


 この件から退く心境になりかけた奉太郎のモノローグに合わせて、世界には雨が降り始めます。その後、えるの気持ちを垣間見た奉太郎は思い直して、見事な推論を組み立てるわけですが…それで解決したかに見えた問題は、世界を晴れに導いてはくれないんですよ。物語としては、ここで「晴れ」が表現されなければ、解決を暗示するパーツが出てこないことになってしまいます。


 次回予告を見て、納得しました。やはり解決してないんですね。これ。

 次回エピソードのサブタイトルは、「歴史ある古典部の真実」。

 そっか。まだ見えてない「真実」があるんですね。これぁ燃える!

そう、真実は流れてしまってもいい。人知れぬ涙と…。
(ジャイアント・ロボ THE ANIMATION「真実のバシュタール!」より)


 いや、絶対に流してしまってはいけない。えるはそう思っているのだと思います。アバンでも「時効に…?」と抵抗を示し、躊躇していた里志と摩耶花へのお願いにも踏み切ったえるでしたが、ラストシーンにもその思いが垣間見えます。

でも…
だったら私は…どうして…
泣いたのでしょうか…。


 手に取った木の葉から、流れてしまったままではいけない「あの時の涙」がすぅっと流れて…。



 今回のEDへの流れもカンペキでした。素晴らしい!
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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テーマ:氷菓 - ジャンル:アニメ・コミック

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