Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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氷菓 第一話「伝統ある古典部の再生」
 
 まさかのガチ泣き。


 いや!違うんだコレは!一回目は「ほぅ…」ってぐらいの感想だったんだ!「…さすがだ」とも思ったはずだが、泣くほどではなかった!なかったんだ!一発目の鑑賞の感想は、「さすがの京アニ・いつも変わらぬ丁寧な作り」「でも京アニなりの新機軸を求めた意欲作」「先々に何を用意しているか実に楽しみ」って辺りに集約されるなぁと、比較的、いや実に冷静な感想だった!感想だったんだよ!

 それがあーた、やっぱ二回目も見ておかなきゃなぁ…って思って、しょっぱなから再生し直して…あの印象的なえるの振り返りを一層の感慨を持って見直した後…一回目も非常に気になっていた極上OPを見直したら!


 こっ…!

 この波紋わああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!

 私、気になります!(ちょっと待てお前それが書きたかっただけとちゃうんか…)
 
 予定変更!即日レビューモードを強制起動!いや、これは今すぐに書かなきゃウソだろう!OPフェチとして、このたぎる想いをキーボードに叩きつけずして何が使徒か!…明朝の休日出勤?知ったことか!


 「優しさの理由」が流れ始めると同時に、彩度の低いモノクロに近い画面からOPはスタートします。画面中央には、奉太郎。でも最初はその姿はシルエットになっていて、いくつもの波紋がそこから広がることで、辛うじて刹那にその風貌が見える、という具合。この彩度の低い世界は、アバンのモノローグで言われている「灰色」の世界で、波紋はこの世界に生きている奉太郎の刻むビートのはず。しかし、奉太郎の目の前から浮き上がる「薔薇」の文字、それが見る間に校舎の外に出ていって…俯瞰する校舎が大きな幾つもの波紋に包まれると、そこには美しく色づいた総天然色=薔薇色の世界が!

 実に美しい!そうだよね、灰色に思える世界であっても、そこに入り乱れる「人々の生きるビート」が折り重なって、世界はこんなにも美しく色づくんだ。続くAメロでも、主要な4人のキャラクターを一人ずつ紹介しながら、灰色の背景に彼らから広がるそれぞれ波紋が、色を見せる様が描かれていて、「人が世界に色を付ける」ってことが示されています。

 でも、奉太郎はさ、冒頭では灰色の波紋を広げてるだけだったじゃない?四人が古典部の活動で集う様子の中でも、奉太郎だけは一人、窓際に座ってやや冷めたようにそれを見てるんだよ。やっぱり奉太郎は灰色が好みなのか?でもその後、眩しく奉太郎が見上げる晴天の光は…奉太郎に当たってきれいな「光の輪」を広げるんですよ!これ、波紋の読み替えじゃないのさ!色鮮やかな波紋が、明るい太陽の光を受けて奉太郎からも広がってるよってことじゃないのさ!そこで歌われる歌詞までが「君のせいだね」ってなってて、「灰色の波紋を広げてた奉太郎が、誰かの影響で光の波紋を広げるようになってく」ってことが、スパッと示されちゃってるわけですよ!

 それがわかってから、続く土砂降りの雨の映像を見るとね、すんごく切なくなるんだよ…奉太郎自身は「自分も薔薇色の波紋を広げる存在なんだ」ってことに気づけてなくて、暗い表情で灰色の世界を歩んでいくんだもの…。でも、そんな時にも、歩く奉太郎の足元からはちゃんと波紋が広がっていて…。ふと見上げた空にはいつの間にか輝く太陽!それを見た奉太郎は、表面上はちょっと顔をしかめるのに…足元からはぶわあっと抜けるような青空の波紋を広げて!!


 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!


 なんつーことを!なんつーことをするかなこのOPは!こんなに雄弁にも「この作品でこれから描いていこうとするもの」を語ってみせることができるのか!!

 しかもアレですよ、その後に全体を覆う「輝く青空の世界」にあって奉太郎の眼はしっかりと見開かれるんですが…この眼はさ、第一話のラストで「…保留?」と聞き返すあの奉太郎の眼と相似形に見えるんですよ!「灰色を好む自分」に縛られていた奉太郎が、ふっと解放される刹那のあの表情!アレにつながる眼なんだよね!


 改めて言わずばなるまい!


 神OP光臨、と!


 京アニが送り出してきた数々の神OPの歴史に、今また新たな一ページが書き加えられたのですよ!ああああもおおお、ホントに何度見返しても見飽きねぇ!!


~~~


 相変わらず無駄に博識…じゃなくて、無駄にOPに力を注いで、全然本編を語ってませんが…いや、まあ、いつものことか…(苦笑)。残念ながら最近は体力もないし、「書かなくてもいいことは書かない、書かなきゃいけないことは手短かに」って方針で。


 冒頭にも書きましたが、「らしい」ところが満載な一方で、「らしくない(特段悪い意味ではなく、あまり見た記憶がないという意味で)」という部分もあちこちにありましたね。「らしい」と思ったのは、人物の動作がいちいち細やかで、良い意味で非常識なクオリティの高さ・相変わらず手抜かず全力疾走の映像群てとこでしょうか。「らしくない」と思ったのは、例えばAパート、えるが奉太郎に「是非、折木さんも考えて下さい」と迫るシーンの、あの演出。あえて近いものを探すなら、CLANNAD 第11話「放課後の狂想曲」の中で出てくる朋也の夢のシーンが「サイケで非現実的」という意味では似ている気がしますが…レベルはもっと突き抜けていますね。あとは、Bパート、掲示板からあふれ出る文字に埋まりそうになる奉太郎のシーンとかも、思い切ったやり方です。こちらもあえて似たものを探せば、「涼宮ハルヒの消失」の山場、キョンの自問自答の中で、SOS団の部室で増殖するクリスマスのアイテムに埋もれる演出が思い当たりますが、今回のこれとは目指しているものが微妙に違う気がします。

 今回「らしくない」、いや、言い換えれば「新機軸」と思ったそのどちらもが、決して写実・リアルな部分の描写ではなく、奉太郎の心象を表したシーンなんですよね。この辺、先のOP考察でも展開したように、「灰色の世界に縛られている奉太郎」が如何にして薔薇色の世界に関わっていくのか、その変化を大きく取り上げていこうという意思表示に思えます。

 奉太郎を変えていく、大きなキーとなるのは…やはりえるなんでしょうね。

 アバンでの、あのえるの振り返り。えるの表情のあっぷと奉太郎の表情のアップとを交互に繰り返していき、最後には「えるの瞳に映る奉太郎」を、そして「奉太郎の瞳に映るえる」を描いた、あの一連のシーンが、そのことを端的に表しているように思えます。

 ボーイ・ミーツ・ガール。人間の歴史が連綿と続く中で、数え切れないくらい繰り返されてきた、オトコノコとオンナノコの物語。この作品もまた、その視点から描写されていく部分が少なからずあるのだと、いや、表層的なストーリーとは別に真芯ではそこに注力していくのだと、そのことを示しているんですよね。

 奉太郎は、えるのことを「無視できない」と思っている風です。そして同時に、それを「迷惑だ」と思っているわけでもないようです。ただ、自分の今までの「モットーどおりの生き方」を変えてしまいそうな存在に出会って、実は激しく戸惑っていて、今はそのことを「保留しておこう」というところなのでしょう。

 先行き、この「保留」がどのように変化していくのか、実に楽しみなのであります。



 個人的に、映像作品における「謎解き」には、あまり興味がありません。それがアニメであってもドラマであっても、一緒で。

 だから、今回の京アニの作品がミステリーだと聞いた時、どこに力点が置かれるかは正直不安に思ったものです。

 でも、全然大丈夫でした。青春群像劇、結構じゃないか!これは楽しく見ていけそうです。半年の長丁場を同じテンションの高さで書き続けていくかは、「保留」とさせていただきますが(…オイラも灰色の世界が薔薇色にならんもんかしら…)、その時々にできる範囲で、継続して参りたいと思います。

 あ、そうそう、クラシック曲がいくつか挿入されてましたが、全編通してそういうスタンスで行くんでしょうかね?ポピュラーなものとは言え、大好きなバッハ先生の曲が2つも入っていて、私はとっても満足です。個人の嗜好は別にしても、一定の「雰囲気作り」を音響面でも徹底していこうというスタンスが垣間見えた気がして、そういう意味でも期待が大きいですね。ホント、映像作品において音楽の果たす力は大きいんですから…。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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テーマ:氷菓 - ジャンル:アニメ・コミック

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