Old Dancer's BLOG
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日常の第18話
 前回から今回にかけてで、全体の2/3を突破したこのシリーズ(全26話と仮定しての話ですが、ブルーレイ等が13巻まで予約開始してるので、多分間違いないでしょう)。一体どこで締めくくるのやら、全く想像が付かないところが、楽しいような悶えるような。

 例えば、京アニの前作にあたるけいおん(2期)は、唯たち4人の卒業が節目として最後に描かれるんだろうなと、それを強く意識させながらの行程でした。同じく4コマ系原作であるらき☆すたは、とにかく無軌道にそれぞれの細切れイベントを描いていましたが、最後には2年生・1年生の輪を一つにまとめた「ハレの手前の一瞬」を切り取るという見事な収め方。ハルヒちゃん・ちゅるやさんは本当に無軌道なまま終わったけど、アレは元々スピンオフ作品ですからねぇ…。

 何が言いたいかといえば…要はですね、ハルヒちゃんみたいな例外はあるにせよ、京アニの手がけたほとんどの作品には、原作がどうであるかにほぼ関係なく、「きれいなシメ」が用意されてるんですよね。ならば、この日常にも、そういうものが用意されてるんじゃないか…信者的にはそんな期待が、そろそろ膨らんできちゃう頃合いなのです。

 まぁ、現状ではそれを悟らせてくれるようなパーツは、ほとんど見当たりません。そりゃ、まだ8話も残ってるしな(多分)。今は見えなくて当然ですかね。あの新OPのテーマからして、ある種の「友情エンド」になりそうな気はしているんですが…。予断は禁物かなぁ。
 
 で、今回の第18話ですが。

 おいおい一体どこに行くんだ、と思わせてくれるに十分な、バラエティに富んだ構成でしたかね。印象的には、冒頭の大工喫茶ネタ然り、その後の中村先生→なの捕獲作戦然りと、「以前に前フリの済んでいる続編から始まる、各種ショートネタの応酬」という感じが強かったですが。

 その中でもネタのインパクトの強さで言えば、ラストの「フェイ王国の気球の上・その後」が全部持って行きそうな勢いでしたね。…そうか、もう一個、私の知らなかったフェイ王国関連ネタがあったのね、と思いながら見ていたんですが、途中からもう耐えきれなくなって爆笑の嵐ですよ。オチは読めてるんですよ?気球から何かが落ちていって、それが時定高校のみおのところに直撃して、ゆっこが目を覚ます夢オチ、と。寸分の狂いもなく、完全に予想できてるんです。なのに、もうオカシくてオカシくてしょうがない。


 夢なのに。


 夢オチなのに。


 そこでハタと気付いたんですが…よぉく考えてみれば、ですね。今描かれてるものが「登場人物の夢」であろうと、「登場人物自身の行動」だろうと、見ている僕らにはあまり関係がないんですよね。登場人物自身の行動だって、笑えない時は全然笑えないし。登場人物の夢であっても、オカシければこうやって全力で笑えるし。そっか、カンケーナイんだよ、うん。

 僕らが見ているゆっこたちの日々=1階層目のフィクションとすれば、そのゆっこが見ている夢の中の世界はもう一枚奥にある、より深い層のフィクションと見なすことができて……というような講釈は、実はらき☆すたの中の劇中劇的なメタフィクション=らっきー☆ちゃんねるを考察する際に、ある程度やり尽くしてしまっているのですよね。いや、当時の考察の方がよりディープでした。らっきー☆ちゃんねるが「仮想的な現実」のフリをしていたことで、より倒錯した構造がなかなかエキサイティングだったのに比べると、本作のフェイ王国=ゆっこの夢の中の世界は、非常に単純な作りです。単に、フィクションの層が一枚深い、というだけ。

 …一枚深いというだけ、なんだけど。

 でも、妙な魅力がありますよね、この気球の上の面々。おざなりな番号のみで呼ばれる、おざなりな制服を着た隊員たち。やたら豪勢な、使いどころを間違えちゃってるような声優陣、という側面もあるにせよ、それにしてもこいつらは愉快すぎます。言ってみればモブなんですよ?しかも、この日常ワールドに実在しない、夢の中だけの存在です。それなのに、こんなに生き生きとそれぞれの存在を主張していて、見ていて飽きることがありません。まるで、彼らには彼らの日常が本当に存在しているかのような…。

 これは本当に、そういうことなのかもしれません。

 付録欲しさにこの3月にゲットした、原作の日常のDVD付き限定版6巻。これは、本の表紙も通常版とは異なるオリジナルが使用されているんですが…どうやらこれ、フェイ国の王女・スターラ姫が描かれているっぽいんですよね。6巻そのものにはスターラ姫は出てきませんので、原作をこれしか読んでない私は「見たことないキャラだな」というぐらいにしか思ってなかったのですが。しかもこの表紙、畳み敷きの4畳半っぽい和風の部屋が奥に見えて、ネコがその辺にちょろちょろいて、その中央にポッキーみたいなお菓子を加えたスターラ姫が、ぼんやりと空(くう)を見ているような、そんな場面なんです。宙に浮かぶナスとキャラメル箱みたいな不条理なパーツも描かれてはいますが、そういうものを越えたある種の生活感みたいなものがあるんです。

 そこからですね、何と言いましょうか。すごくですね、なじんだ存在感と言いますか、揺らぎない安定感が感じられるんですよ。その場面の存在に、異を唱える隙がないような。「フィクションの中の更に夢の住人」なんてぇものじゃなく、「とあるフィクション世界の住人」なんですよね。見た目に、そういう印象を強く受けるんです。

 これ、そういう意図を持って書かれたものではないでしょうか。

 ゆっこの夢の中のあの人々は、層は異なるけれど実は彼らなりの日常を持っていて、彼らなりの生活感や存在感の中で面白オカシく暮らしているのだ、と。それは、ゆっこたち「日常ワールドの住人」が持っている彼女らなりの日常や、彼女らなりの生活感・存在感と本質的に同じものであって。そしてそれは、僕ら「21世紀の現実世界の地球人たち」が持っている僕らなりの日常、僕らなりの生活感・存在感とも響き合うものであって。

 そう思った時、それまで互いにバラバラだったいくつかの世界は、非常に親しみのあるものへと印象を変えるのです。「結局、ノンフィクションでもフィクションでも、どういう世界であっても『日常』という概念に香る共通したモノはベースになって存在してるんじゃないか」「他の『日常』という基盤から感じ取れるものは、自分のいる『日常』からのそれと大きく違わないんじゃないか」とね。


 いわゆる「超日常」の片鱗が、そこからは伝わってくる気がするのですよ。


~~~


 毎回別な合唱曲が流れる、後期EDの映像。あそこには、同じ世界観の中ではありますが、相互な関わり合いを必ずしも持っていない、この『日常』作品の登場人物が次々と登場します。主役級・準主役級のキャラだけではなく、この18話までの間に数回しか顔を出していないようなキャラや、或いは名前さえ付いていないようなキャラまで。

 これらのキャラは、しかしシリーズの中で次第につながりを見せていき、後半戦に入ってそのスピードはいよいよ加速しているように思えます。笹原への恋心という部分のみで半端につながっているだけだった、長野原みおと立花みさとは、今回のエピソード中でみおの友人のゆっこ・みさとの妹のみほしを介し、ぐるっと迂回した全く別のラインでつながりを見せました。6巻を読んでいる方なら御存知の通り、みほしはみおの姉・よしのともつながりがあるんですよね。こんな風に、あの広い街の中にあってそれぞれに動いている人々が持つものが、多面的につながりを見せていく過程こそが、このシリーズの一つのポイントにもなっていると思うのです。

 これら広大なつながりの総体を見通した時に浮かび上がるのが、どの世界にもあまねく存在する『日常』というものの姿なんだろうか。

 そして、その前提となる「つながり」を表す一つの側面として、「友情」が後期OPで前面に取り上げられているんじゃないだろうか。

 答えはどこにもないので、上記の問いは宙ぶらりんなままです。でも、大いに笑って気持ちがちょっとスッとした後で、こんな思索に身を委ねてみるのは、なかなか悪くないものです。

 そんなことを考えつつ、やがて来るであろうあんなネタとかこんなネタをwktkで楽しく待ちながら、残りも突破していきたいと思います。個人的には、前期OPから出ていながらもほとんど本編には出てこず仕舞いで、ここ数回で急速に姿を表してきた「師範代」の活躍がね、もー楽しみでしょうがないwww 次回辺りかね?それとももう少し先かね?ああ、こんな楽しみ方があるとは、始まる前は予想だにしていませんでしたが…これもまた、悪くないものですね。
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テーマ:日常 - ジャンル:アニメ・コミック

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