Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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映画連続鑑賞の記憶。
 今までに、3作品。私は、朝から晩まで映画館に入り浸りで、同じ作品を鑑賞し続けた経験がある。

 それが、うる星やつらの劇場版、1~3だ。

 当時はまだ、大らかな時代だった。入れ替え制などは北海道ではほとんど行われておらず、一枚のチケットで何回でも上映を見ることができたのだ。1作目の当時、まだ中学三年生だった私と悪友~ここでは「N」としておこう~は、なけなしの小遣いをはたいて買った前売り券で、最大限このお祭りを楽しんでやろうと心に決め、全身全霊をかけて作品にぶつかっていったのである。
 
 とは言え、まだまだ世間知らずの中学生。そこに至るまでは、長い長い道のりがあった。当時はまだ、ネットなどは当然なく、個人向けコンピュータの名前が「マイコン」から「パソコン」へとようやく変化し始めたぐらいの頃だ。世の中には「チケットぴあ」ですら存在せず、情報誌らしい情報誌など、見あたらなかった時代のことなのである。

 劇場版うる星やつら「オンリーユー」が上映される、とわかった直後、Nと私はこう思ったものだ。

 一体どこで上映されるんだ?!

 プレイガイドの類が存在しない時代のことだから、前売り券を入手しようと思ったら、基本的には「上映される映画館」に行かねばならない。でも、その肝心の「上映される映画館」を調べる手段さえ、僕らには無かったのである。ググってポン!に慣れ親しんだ今の世界からは、考えられないことである。

 仕方なく僕らは、電話帳(当時は「タウンページ」も無かったのだ)をめくり、「劇場・映画館」のところに片っ端から電話をかけて確認することにした。「そちらで、うる星やつらの上映は予定されてますか?」という感じだったろうか。何軒か当たってみたが、なかなかヒットしない。

 そのうち、そう言えばこんな名前の劇場が新宿にもあって、そこでYMOがライブやってたよな、という劇場が出てきた。ライブやるようなところだと、劇場って言ったってホールじゃねぇの?いやー、まー、そうかもしれんけど…ダメもとでかけてみるべ!…そんな会話を交わしながら、同じように電話をかける。


 「すいません、そちらで、うる星やつらというアニメの上映は、予定されてますか?」


 「え?

  ………………………。

  うち、ストリップ劇場なんですけど。


 ええええええええええええええええええええええ!!


 あたふたと謝りつつ電話を切った後、二人で大爆笑であった。「札幌コマ劇場」。確かに、大人ならかなりの人が名前を知っている、有名なストリップ劇場である。そんなことも知らなかった幼いやつらだったが、それでもその時はホンキで、好きなものに対して自分たちの情熱を、すべて傾けていたのである。


~~~


 その時の上映時刻は、今はもう覚えていない。


 だが、上映の当日僕らは、朝はまだ暗いうちから起き出した。


 夏の最中であれば二人、自転車を繰り出すところだったが、あいにくうる星やつらの上映はいつも冬。さすがに雪が深くて、自転車では向かえない。かと言って、交通機関を利用するのは「小遣いが惜しい」。当然のようにたどり着いた結論は、「札幌中心部まで一時間半ぐらいの道のりを歩いていく」ということだったのだ。

 眠い目をこすりながら、二人でてくてく歩き出す。バカな話も、ちょっとマジメな話も、尽きることなく続けられる二人だったから良かったのだろう。道中に退屈するようなことは無かった。疲れ?そりゃあ疲れたろう。寒さ?もちろん寒かったに違いない。だけど、そんなことは全く問題なかった。二人して入れ込んだ対象について、こんなにもワクワクした気持ちを乗せながら、ウマが合うままに楽しくこなしていく行程は、何物にも代え難い「お祭り」だったのだ。

 上映時間は、80分ほど。だが、うる星やつらとは関係のない実写作品との併映が、これもまた当時は当たり前だったから…拘束時間は非常に長く感じた。併映作品は1作目がイヤになるほどB級作品の「ションベン・ライダー」、2作目が吉川晃司のデビュー作になる「すかんぴんウォーク」、3作目が明菜ファンとマッチファンがいがみ合いながらも大挙して押し掛けた「愛・旅立ち」、ってどんだけアニメ好きを困らせれば気が済むのかと、毎年怒り心頭であったが…でも、そんな愚痴を言いながらの待機時間も、徐々にお尻が痛くなる苦痛とそれでも見なきゃという意地のせめぎあいも、全てを見終わった後、満足げに語らいながらまた歩いて家路を辿る無茶っぷりも、どれもこれも僕らには楽しかったのだ。

 だって、そうしてまで見るこの作品が、どうしても好きだったから。

 後悔は、しなかった。Nも、多分していないと思う。するはずがないから。するぐらいなら、1回目でやめているもの。


~~~


 明日。僕は、今度は一人で、実に25年ぶりに「映画館に一日缶詰」になりに行く。自ら望んで。

 もちろん、さすがに歩いてなど行かないが…気持ちは、多分、あの時のままだ。

 愚直に、素直に。全身でこの作品にぶつかり、全霊で何かを受け止めてこようと思う。

 何も知らないガキであっても。多少は物のわかった大人であっても。どちらにせよ、「ファン」というのは、そういうものだと思うのだ。
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