Old Dancer's BLOG
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Kanon 第9話「笑顔の向こう側に」
 毎回がクライマックスだぜ!


 ……………。


 やむないこと、ではありますが、やっぱし性急な印象は避けられないところですね。舞編が7~8話かけてもらえたのに比べると、1話のみってのはどうしても辛い感じ。京アニ版との比較?いや、そりゃあ比較する行為自体が無理筋でしょう。向こうは栞シナリオを本格的に描き始めてから、3話を費やしているんですよ?

 「端折っている」ということで、脳内補完しなければならないところと、映像化されている部分を丹念に味わうべきところ。今話に関してはそういう切り分けを自分の中にある程度持って、それで楽しむのがいいかな、と思います。
 
~~~

 脳内補完や調整を必要とするところ。

 そうですね…例えばこの、栞と祐一の親密度の高さは、前話までで十分描写されている、とは言えないでしょう。ああ、そうか、あの2話で出会った瞬間に頬染める栞、などの描写は、こうした描写不足を補完するためのやむない措置だったのかもしれません。

 また、名雪に示唆されて(舞関連では毎回嫉妬っぽい弱さを見せていた名雪が、ここではそんな素振りを毛ほども見せないとても強い様に見えるのもやや微妙ですが)、栞と「普通の学生としての一週間」を過ごす、という辺りも、尺の少なさに泣かされるところですね。

 この辺を、ブー垂れようと思えばどれだけでも言っていられるでしょう。だけど、それではこの作品を楽しんだことにはなりません。それらを犠牲にして、制作陣は一体何を残そうとしたのか。そこを見ずして何のための鑑賞かと。


 言わずもがなではありますが、それは…やはり、香織と栞の姉妹のこと、でした。


 今回改めて思ったのですが…東映版におけるアプローチは、「何人もの少女たちの問題の解決」に際して、祐一との関係よりもサブキャラとの関係に比重を移すことで、何らかのバランスを取っているみたいに見えますね。前回の舞シナリオの最終解決のキーが「佐祐里が舞の自傷を止めること」であったように、今回の栞の解決のキーは、「香織が栞のことを再度認めること」になっています。ともに、原作のクライマックスとはポイントをずらしているんですね。そのことで、恐らくは、祐一が八方美人に終始しないようなストーリー運びを狙ったようにも思えて来ます。

 だから、香織は原作に比べるともっと脆くなっていて、いつまでも頑なではいられない、そんな少女として描かれています。例えば、祐一に一度だけ弱さを見せるのは原作同様ですが、ここの回想シーン、なかなかリキ入ってますよね。苦悶にシーツを握りしめる栞の手元、恐れるような眼差しで治療の場を見る香織、いったん落ち着いたところで栞に請われ、次の誕生日までもたないだろう、と告げた後の、どうしようもなく顔を背ける香織の仕草…どれも、このシリーズでは最高とも言える、極上の描写で迫ってきます。

 また、原作にはないオリジナル展開として、名雪に対して自分の弱さを吐露し、迷いを見せる場面が描かれ、そうして…栞の元に辿り着くんですね。それが最初から、香織の目指すべき場所であったかのように。


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 一方の栞も、原作とは異なる部分を見せます。これ、人によっては許せないんだろうなぁ。さようならの瞬間まで泣き顔を絶対に見せない強さを持ち、でも再会の時にはつい弱さを見せて泣いてしまう、そんな栞が好きだという人には、ね。

 だけど…香織が栞のところに辿り着いて、あのように弱さを見せてしまった時点で…栞も弱さを見せないわけにはいかないのでしょう。んー、何て言うんだろ…ああしてお互いに弱さを見せることで、弱さを知った上での強さ、というものが手に入るんですよ。この話で描かれようとしているのは、多分そういうもの。それは原作の持つ感動とは別種のものなんですが、だけどこれもまた「強さ」の一面なんですよ。


 涙を流すことが、必ずしも弱さを意味するわけではない。


 涙を流すことで、手に入る強さもある。


 CLANNAD終盤の展開をご存知の方なら、納得していただける部分もあるのではないでしょうか。


~~~


 「それは、栞の強さだ」


 「それは、香織の強さだよ」


 画面では明示されていませんが、祐一と名雪が多分同時に告げたであろう、姉妹への言葉。彼女らが自分の弱さを責め、その向こう側にある強さを名雪たちが認めて…姉妹は再会を果たします。なかなか美しいんですよね、この構成。同じく願うものがあることを告げ合い共有して、抱き合って泣く香織と栞。一話の中で、十分に時間が取れない中でも、何とか描こうと制作陣が腐心したこのシーンに、今は酔いしれておこうではないですか。



 次は…真琴編のクライマックスですか…ホント、休みなしノンストップだな。(^^;
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