Old Dancer's BLOG
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かんなぎ 第十二幕「ほんとうにエフェメラル」
 ……君、去りし後。


 第一幕の、裏返し。そんな感じがしました。「舞台装置」としての唯一の脇役・しりげやのレジのおばちゃんを除けば、仁とナギ以外に一切の登場人物が顔を出さなかった、あの第一幕。そこには、仁とナギしかいないが故に、仁とナギとの関係のみが視聴者に伝わるようになっていたわけですが…。

 この第十二幕では、ナギ以外の全てのレギュラーメンバーが画面に顔を出すのに、肝心のナギは一切顔を出しません。唯一、行き倒れた姿を晒すナギが、まるで助けを呼ぶかのように仁の夢の中に出て来たところを除いて。そして、そのことが一層、仁の中に広がる「ナギとの関係」にフォーカスするという仕掛けになっていて…。悶えますなぁ…。
 
~~~

 「エフェメラル」。英語で、綴りは「ephemeral」、意味は「儚い」。
ほんとうに、ほんとうに儚い…。そんな風に仁の心境が流れていく様を、じっくりと描ききった渾身の回になりましたね。

 Aパートでは、仁はまだ「ナギの真実」を探すことに執心していて、だけどその時にナギがもうどうしようもなく傷ついてしまっていることにまでは思い至っていません。しかし、その最後に、家に残されたナギの書き置きを見て、「騙してた」という言葉に驚き、Bパート以降は「居なくなってしまったナギの影」を探し始めるんですな。もう、ナギが本当に神様なのかどうか、なんてことは、意識の表に戻ってこないくらいに。

 そもそもが。「アイツ、本当は何なんだろう?」という疑問を、彼がどうして抱いたのか、というのが微妙ですよね。今までだって疑問に持つ機会は何度もあったはずなんですが、彼はそこに突っ込んでいくことなく、何となくそのまま流しているわけで…実際、ナギが神なのかどうかは、仁にとってはどうでもいいことだったんじゃないかと、そういう風にも思えます。別なパターンとして、例えば白亜の父である涼城先生も「白亜に憑いているものの正体」について突っ込んでいない様子ですが、先生の場合は何となく別な理由っぽくて…真実へ肉薄するのが恐ろしいとか、そんな感じの雰囲気を、先週の仁との問答では垣間見せています。けれど、仁には多分、そういう恐れさえ意識には無かった。だから今回も前半で「ナギの真実」を探している仁は、もう張っ倒したいくらいに純朴です。自分の真実も、まだ何も掴めていないような、そんな少年なのに。いや、そんな少年だからこそ、なのか。

 真実を認めることには、痛みを伴うんですよ。

 その痛みを知っている涼城先生は、だからこそ娘の真実を追究できません。ナギは、自分の真実に~自分のことを全くわかっていなかったという真実に~気付いてしまったからこそ傷ついたのです。でも仁は…真実を求めることが、どれほどの痛みを伴うのかさえ、未だ気付かず…。

 わかってるのかな、仁は。痛みを伴うかも知れない、でもそれを乗り越えてでも、「相手の真実を知りたい」と願う行為の、その意味を。…いや、わからんよねぇ。悶えるねぇ。

~~~

 ナギの書き置きを見て、仁は「ナギの真実」を探すことよりも、「ナギの影」を追い求めることに一生懸命になります。仁にとって、本当は「ナギが神様かどうか」は、どうでも良かったのでしょう。何でもいいから、まずはとにかく、帰ってこい、と。帰って来さえすれば、いずれまた真実を知る日も来るかもしれない、だけど、このまま居なくなったなら本当に彼女はいっときの「幻」として終わってしまう。いや、もう既に、ナギの存在そのものがどんどん不確かに感じられはじめて…アイツ、本当にいたのかな…などと呟く仁が、とても痛々しいです。

 現実には、これで終わり、という運びも十分にあるんです。仁はその場合、つぐみが「あの時は大変だったわ」と言っていたような、ふさぎ込んだ日々へと逆戻りしてしまいそうな雰囲気を漂わせていますね。だけど、これは「物語」です。神と人が、そして少女と少年とが出会う物語として、かんなぎはどういう決着を見せてくれるのか。アニメでは最後の一つとなるエピソード、正座して拝見したいと思います。
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テーマ:かんなぎ - ジャンル:アニメ・コミック

コメント
この記事へのコメント
次回予告のネタバレ
最後の3話は無難に(といったら失礼かもしれませんが)、それも高水準の作品に仕上げてきましたね。
個人的に「かんなぎ」のネタ部分は痛々しくて見ていられなかったのですが、あいだあいだに挟まれた正統派に作られた話のおかげで総合的に楽しめたと思います。(冒険することが悪い事だとは思っていませんが、かんなぎの場合、ギャグがあっても本線はしっかりと真面目に描いてほしかったので…)

ただアレはないですよね、最終話のサブタイトル。
まあ視聴者にも予想はつく事ですが、わざわざ「最後はハッピーエンドになりますよ」と言ってやることもないでしょうにww。
いや、「デレる」という状態に移行する事に意味を見いだせないことも無いのでしょうが、それを加味しても「いくらなんでもこのサブタイは無いでしょう」と思いました。

要するに、てりぃさんがその部分について言及されてなかったので、どう受け止めているのかなと思った次第なのですが…
2009/01/27(火) 02:06:44 | URL | あるかさ #9WAugNKs[ 編集]
サブタイでのネタバレは
>あるかささん

私も、あまり好きではありませんけどね、サブタイでのネタバレは。それに繋がることとして、あまり長々と書かれるサブタイも、好みではありません。

でも、かんなぎのこの流れに関しては、予定調和であることが何となく予想されるので、このぐらいなら許容範囲かなと思ってました。そんなところでございます。
2009/01/27(火) 02:50:59 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
かんなぎはオリジナル回以外は、サブタイトルは原作使用タイトルの合成です…
今回は原作の第16・17幕「でも、ほんとうに」+「エフェメラル」を基にしているので単に合成してます。
らき☆すたでも原作のサブタイトルを使用してましたし、監督はサブタイトルにあまりこだわりないのかもしれませんね。

自分は山本氏が監督すると発表された後即原作を買って原作を買ってしまったため原作既読ですが、自分的原作ファン視点からすると良作アニメとして仕上げてくれたと思います。
全体の話ではナギやつぐみ、11-13幕では仁の心情描写に力を入れてくれましたし。
ネタ部分は、カラオケ回やオリジナル回など個人的にかなり面白かったんですが、その部分でネット上で批判多いのはあまり理解できてません…。

批判されている部分を考えると、根本的な原因は、山本氏がアニメーションDo退社して半年後にはかんなぎの1話の脚本が上がっていたと聞きますし、企画の煮詰まり具合がほんのちょっと足りない部分があったのでしょうか。
2009/01/28(水) 00:16:19 | URL | shinamina #aIcUnOeo[ 編集]
単純合成ですか…
>shinaminaさん

そうですか、やはりサブタイはほとんどが単純合成なのですね。

「映像作品である以上、映像の力で勝負だ!サブタイの力は借りん!」ということなんでしょうかね。そういうお考えも、理性ではわかりますが、サブタイフェチ(?)のケがある私なので、そこがおざなりにされているのだとすると素直に残念ではあります。ま、サブタイを別にしても面白い作品というのも、一方で確かにありますけれどね。

批判の多寡は…自分自身の好き嫌いとリンクしないことは、結構ザラにあるものではないかと思います。私の少ない経験上、世に出る作品のほとんどは「賛否が分かれる作品」なので…自分がどちらに属するとしても、それはある意味「よくあること」なんじゃないか、という気がしています。

>企画の煮詰まり具合がほんのちょっと足りない部分が

そうかも知れませんし、そうでないかも知れません。内情が見えない私らとしては、どこまでも邪推しかできませんからね。もし、shinaminaさんがほとんどの回を面白く見られたのであれば、世の評価は世の評価、と割り切って、楽しくご覧になったことを素直に喜んで良いのではないかと思いますよ。少なくとも、途中でやや視聴姿勢が落ち込んだ私としては、shinaminaさんのことは「羨ましい」と思いますし。どんなものであれ、好きなものであれば楽しく見られることの方がいいのだと、私はそう思っています。
2009/01/29(木) 22:03:52 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
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