Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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かんなぎ 第十一幕「でも、あやふや」
 エヴァだーーー!!(爆)


 や。そういう反応すると、「エヴァ厨乙」という反応がフツーに返ってくると思うのですが…でもやっぱ、エヴァっぽいよなぁ…。

 登場人物が、自己の存在について言及を始める。その過程を、様々な映像技術を駆使しつつ、痛く深く描写し続ける……まぁ、百歩譲って「エヴァじゃない」としても、やはり「エヴァを連想させるものである」とは言えますなぁ。

 元々は、そういう「自己の存在意義」とかに自問する過程って、多かれ少なかれ誰しもが通る、普遍的な道程の一つなんですけどね。
 
~~~

 「今まで一度も傷ついたことのないヤツは信じられない」。これは鈴木慶一氏がTHE BEATNIKSというユニットの曲で歌い上げた歌詞ですが…そう言い切ってしまいたくなるくらい、誰でも一度や二度は通る過程というものがあります。それは、単に「傷つく」ってレベルのことではなくて、自分で自分がわからなくなるような、そういうレベルのもの。

 自分が傷ついて初めて、人の痛みが連想できるようになります。だから、経験を積み重ねれば積み重ねるだけ、その人は周りに対して優しくもなれるわけですね。逆に、自分が体験していない辛さというものは、類推する以外には無いわけですが、これが「体験の総量」がはなから不足していると、どうにも拙くなりがちです。

 ナギは、してみると、やはりそうした「人としての経験」の視点で見るなら、赤子も同然だったのでしょう。だから、「人」であるところの仁の不満が、実感としては理解できていない、類推の範疇に入ってこない。もし彼女が、自身で言うような「神」そのものであったのだとしても、それだけの経験はあったのだとしても、「人」として地に足をつける以上は、「人」としての経験が物を言ってしまいます。

 今回ナギは、そうして「人としての痛み」を理解できるかもしれない、その端緒に立っているように思えます。当然にわかっていると思っていた自分(人の姿としての)について、自分も何一つわかっていなかった。そこに彼女は痛みを感じ、涙を流したのですね。

 物語的には途上ですが、しかしもうこれは「入り口に立っている」というわけですから、少なくともゴールまで至るコース上にいるわけです。だったら、ナニも心配要らないよなぁというのが私の視点。もちろん、自分とも相手ともなかなか向き合えずに葛藤の日々を送るのは十分あり得ますが、それもまた糧の一つでしょう。そういうのって、どれも美味しいモチーフだしね。あれ?何か鬼畜な事言ってますか私?


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 自分のことは自分が一番良く知っている。よく言います。


 自分のことは、自分ではよく見えない。これもよく言います。


 さて、どっちがホントでしょう?


 自分というものを所与のもの、最初から全て理解でき、完全に己で制御できるもの、そのように思っているならば、それは誤解です。少なくとも、自分で自分が制御できないことなど当たり前にありますし、ねぇ。

 だけど、「自分が一番良く知っている自分のこと」というのは、結構多いんですよね。だから、どうしても誤解してしまう。「自分こそが、常に自分の一番の理解者なのだ」と。冷静に考えればそうではないはずなんですが、ね。

 貴方の首のナナメ後ろにホクロがあって、チョロ毛が一本生えている、としましょう。でも、貴方はそれには気付きません。だって、自分で「ある」と気付いてからでないと探さないような位置ですし、ねぇ。偶然に見つけることも、多分無いでしょう。だから、自分ではそんな位置にホクロなんてあると思ってないし、ましてやチョロ毛が生えているなんて、思いもよりません。だけど、厳然とそこにはホクロもあればチョロ毛もある。人から見れば一目瞭然です。

 お前、首の後ろのホクロに、チョロ毛生えてんぞ。

 「うるさいわ!私に干渉するなと言ったであろうが!」

 これが、今の(今までの、かな)ナギです。神として、当然に「自分も含む世界の色々」を、人よりも十分に理解していると思っていた、所与のものだと思いこんでいた。自分にはわからなくて、人の方がわかっていることがあるだなんて、想定外もいいとこだったんですね。

 だけど、気付いてしまった。

 自分が、自分のことを、何も知らなかったということに。

 「神」として疑わなかった自分の、「人」の部分、弱い部分を見つけてしまった、そういう瞬間。

 これぁ悶えるわけですよ。だって、これってナギに限った事じゃないもんね。小さい子供ほど顕著ですが、誰しも昔は「唯我独尊」的なワガママを自分の中に飼っていませんでしたか?でも壁にぶち当たって、悩み苦しみながらそれを乗り越えてきたでしょ?

 自分の中に弱さを見つけたナギの苦悩は、我々が青春の過程でぶつかってきた苦悩の壁と、相似形なんですよ。そ、これもまた、普遍的な過程です。だけど、誰でも経験するからつまんない、なんてことはなくて、その壁に当たった時に生まれるドラマの多様さとか、ブレイクスルーに至る時のカタルシスなどは、いつも僕らを泣かすんですね。自分のかつての経験と照らして、共感を覚えながら、ついつい応援してしまう。ナギ、頑張れ、仁、ガンバレと。

 そのように共感を許してくれる作品は、良作だと私は思っています。エヴァかどうかは実のところどうでも良くて、私は今話を「いい話だな」と思いました。そして、多分残り二話でも、良い過程を見せてくれそうな、そんな予感がしています。ありがとうございます。そして、次も真っ向から見させて頂きます。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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テーマ:かんなぎ - ジャンル:アニメ・コミック

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