Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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Clannad After Story 第5回「君のいた季節」
 「過ぎ去った青春時代」かぁ…。


 自分のような、子持ちの中年が言うならわかるんだけど、美佐枝さんの年齢で言われると何だか悲しいですよね。ある種の巡り合わせ、なんだろうけどね、作中の美佐枝さんがそういう役回りになっているのは。そして、僕らや朋也たちがそう感じるほど、美佐枝さん本人は気にしている風ではなく。


 この話はフィクションです。あえて私がお断りするまでもなく。だけど、そこにちょこっと、時々香ってくるような、「現実の持つ側面」。それは、残酷に思えることもあるけれど、それだけでは、ない。そういう部分まで含めて、妙に現実味がある、この不思議。


 彼女は、それで幸せなんだろうか。答えは、どこからも聞こえません。ただ彼女は、今のその微笑みを返すだけ…。
 
~~~

 夢かうつつか、それとも何かの魔力によるものなのか。「既に終わった物語」を、それも他人の過去の話を、何故朋也が目の当たりにしているのか。サブストーリーを紡ぐ都合上?確かに、それはまーそうなんでしょうw、でも、それ以外にも色々とありそうです。

 ここんとこ毎週言ってる「週を追うごとに難易度が上がってるwww」というセリフを、今週も更に深刻な具合で吐きつつ、それなりに軸を通して語ってみましょう…。


【光の玉三郎物語~AIR外伝】
 うん、やめときゃ良かった!!(↑)

 や、ごめん、あんまり意味無いんだ。特に「玉三郎」にはナンの意味もないから(爆)。

 いやね、何のことを言っているのかと言うと、「AIR美凪編」における、みちるの話のことなんですけどね。そう、ずっと空にいて、悲しい夢を見続けている女の子から、羽根を分けてもらって地上に顕現した「みちる」の物語。美凪を助ける、そのために。

 ちょっとだけ、似てるんですよね。事情があって自分では行けない誰かから、光の玉が入ったお守りを渡されてそこに顕現した「志麻賀津紀」の物語。美佐枝の願いを叶える、そのために。

 疑いなく流れを受け入れてしまうと、この志麻が「いなかったけど何らかの力で顕現した存在」というのは意外かもしれません。だけど、そういう振りはいくつか、ちゃんとされていますよね。朋也が夢に落ちそうになる時に聞こえているセリフもそうですし、美佐枝に会った時の志麻自身のセリフも実に味わい深いです。

志「相良美佐枝さんでしょ?」
美「あんた誰よ?」
志「志麻賀津紀。見覚えあるでしょ?」

 久しぶりに会った相手を、念のため確認し、自分のことを思い出してもらう投げかけの言葉。確かにそう思って流してもオッケーなセリフなんですが…。こういう意味合いにもちゃんと取れるセリフなんですよね。

志「相良美佐枝さんでしょ?」
美「あんた誰よ?」
志「志麻賀津紀。ちゃんとそう見えるでしょ?

 美佐枝が実際に会ったことのある志麻賀津紀。その姿に、ちゃんと顕現できているでしょ、という、そういう含み。ね、味わい深いでしょ?

 この話はフィクションです。だから、「何かの力で顕現する存在」とかも、ファンタジーとして語ってしまっても許されるわけですよ。だけど、「むやみやたらと不可思議な存在が顕現する」わけではなくて、やっぱりそこには理由があります。そうでなければ、ただのご都合主義になってしまって、感動もへったくれもあったものではありません。そのキーになっているのが、ことKEY作品においては特に「思いの強さ」なのかなと思うのですね。Kanonでの真琴がそうなんですよ。原作の流れでも、そして、京アニ版まさかの22話ラストとかも。

 Kanonの「妖狐」という設定にしてもAIRの「羽根」にしても、そしてCLANNADにおける「光の玉」にしても、それは仕掛けであり、舞台装置なんですね。筋書きは、そして感動の源泉は、別なところにあります。もちろん、仕掛けは仕掛けならではの趣向が凝らされて、その繋ぎ方には粋も妙も感動もあるのですけれど、ね。今回で言えば、アバンで「僕」が「光の玉」の意味について考えていて、朋也の夢の入口で「光の玉」が願いを叶える力があることが語られて、そういう構成力にはやっぱし唸るのですが…感動の源泉は、「何故この志麻くんはここに顕現しているのか、そうまでして美佐枝の下に来たのか」の方にあると思うのです。

 その辺は、多分次回語られると思うので、ここでは触れませんが…。


【託す者・託される者】
 AIRにおける「みちる」は、作中でとある役割を負っています。いや、みちるの出てくる美凪編が、と言った方が的確かも知れません。「羽根」の持つ機能や意味合い、物語のバックボーンに存在するSummer編=神奈の物語を匂わす、その導入としての役割を。

 そして、この「美佐枝編」もまた、CLANNADにおいて役割を負っているわけですね。サブシナリオと言ってバカにできない部分が、そこにあります。渚の色々をとりあえず脇に置いておいても語りたい側面がある、そこを読み取ることも、醍醐味の一つですよね。もちろん、前述の「光の玉」について語っているのもそうなのですが。

 私が今回感じたのは、託す・託される(もしくは渡す・渡される)という関係について、でした。

~~~

 弁当を届けに、朋也と渚が春原のところに来る。ちょっとした(割とどーでもいい)ことですが、託す者と託される者という関係が、ここで既に見えています。

 生徒会長の振る舞いを学びに、智代が美佐枝さんを訪ねて来る。ここにも、後世の者に託す・先達から託される、という関係がありますよね。

 そして、今回やたらとフィーチャーされる、「カレシ・カノジョ」という関係について、話の中心にいる美佐枝さん自身には全く縁がなさそうなのが、その最たるものに思えました。春原に弁当を届けにきた朋也たちを見ての、美佐枝さんの「渚ちゃんとそのカレシ」という扱いにしても、ラグビー部員のデートコースの世話にしても、美佐枝さんは外から面倒を見てるだけで、本人の色恋沙汰とは全く絡まないんですよね。自分のことは「過ぎ去った青春時代」と言いきっちゃって、若い人の面倒を見るのが自分の役目、という風に割り切ってしまっている。もう、そういうものは「若い人たち」へと、託してしまっている。

 その眼で、朋也の夢を通じての「美佐枝の過去」を見てしまうと、こらもう切ないわけですよ。まだ若い美佐枝が頑張ってるその恋心は、将来叶うことはないとわかってしまっているから。その後、自分のことはさておいて、次の世代へと託していくだけになる美佐枝が、もう確定してしまっているから。

~~~

 志麻は、美佐枝の「願いを叶えに」やってきました。言い方を変えれば、「願いを叶える力を渡しに来た」わけです。あの「声」から察するに、誰かにその力を託されて。

 その恋心が叶うことはないのだと、僕らにはもうわかってはいますが、それでも高校生の当時には、美佐枝が「託される側」に立っていた時期があるわけです。今の美佐枝がそうであるように、一方的に誰かに託し続ける立場ではなく、誰かから何かを受け取れる可能性を持つ者として。では彼女は、その時に何も受け取れなかったのでしょうか?いや、きっとそうではないですよね?何かを受け取ったからこそ、今の美佐枝は「誰かに託す側の立場」として、そこに立つことができている。そうでなければ、流れとしてはあまりにもいびつすぎますもの。

 彼女の恋心は、叶わない。でも、きっと、何かを受け取っているはず。

 そこが、美佐枝シナリオの胆(きも)なのだと思います。そして、それを朋也が夢見ることにも、意味があるのだと。一番欲しかったものじゃないにせよ、人は何かを受け取って、誰かに継いでいく役割をそれぞれに負っているものだから。朋也がこれから経験する色々も、そういう流れに帰属していくべきものだから。あの猫が不思議と朋也に懐いているのも、全くの無関係ではないはずなのですよ。

 ED曲のTORCH(トーチ)。「たいまつ」という意味です。そのたいまつの灯りを、人は先へと手渡していくのですよ。EDの映像も、年上の者から次第に若い者たちへ、渚と朋也を先頭とする列を前へ前へと映していく形になっていますよね。街の風景を、さながらその「前の者へ」と引き継いでいくような、そういうバックに合わせながら。

~~~

 美佐枝へと「願いを叶える力」を渡す、その役目を託されたはずの志麻。しかし、彼は行きがかり上、全く別の、美佐枝へと「悲しい現実」を渡す役目を託されます。

 その、二つの落差を表す、映像のかぶせ方が。

 いつもながら反則級ですよねぇ。無心な表情の志麻くんと、これ以下はないだろうというほどの沈んだ顔の志麻くんを、フェイドイン・フェイドアウトで。そんなものを渡すために来たんじゃない、というその後の嘆きが、胸に迫ります。

 車道をまたぐ、陸橋の上。その橋の上で、道のこっちとあっちとに立つ、美佐枝と志麻。彼らを隔てるものはそんなに遠いのか、こっちとあっちとで受け渡されるはずのものは届かないのか。赤い夕焼けに染まって、ただその後は暮れゆくほかはないのだろうか…。






 本日は少々短めで。ちょっとちゃっとで盛り上がりすぎました(爆)。書き下しの難易度が高かったのもありますが…や、すみません。でも、素直な感想が今週も書けて幸せです。素直が一番!
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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テーマ:CLANNAD -AFTER STORY- - ジャンル:アニメ・コミック

コメント
この記事へのコメント
つちむは滑り込みを極めた!
つちむは滑り込みストになった!
やっぱり、てりぃさんはナユキストを極めてますね。
ってまた今回も滑り込み…。

どうも今回のような番外編は苦手のようです。
一応、昔の美佐枝さんは出てるんですけど、
周りがちがいますから。
「繋がりはあるけど別のお話」となると…。

ところで、少女役の川上とも子さんが入院中らしいですね。
ケロロ軍曹の時には役の一時的な交代のテロップまで
出てましたけど、クラナドではどうなるんでしょう。
原作では声無しだからといって
ここまできて替わるのも…。
それとも全部取り終わってたりするんでしょうか?
2008/11/28(金) 00:54:41 | URL | 滑り込みスト・つちむ #-[ 編集]
極めんなwww
>つちむさん

>少女役の川上とも子さんが入院中らしいですね。

こりはびっくり。と思って早速調べてみましたら、既に退院なさっているようです。入院期間は8月から9月頭までの約3週間だったようですね。

>http://melfina.org/archives/2008/10/01_2241.html

恐らく、CLANNADで今後放映される分については大丈夫ではないかと…勝手な推測…。
2008/11/28(金) 01:06:20 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
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