Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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小さなALBAの腕時計
 僕のしている腕時計は、安いデジタルの時計だ。

 中学校に入学した少し後に、お祝いとして両親に買ってもらったもので、当時の売価で8千円ぐらいだったと思う。中学生の持ち物としては決して安くはないが、オトナのアクセサリーとしてはちょっとチープに過ぎる、そういう時計だ。

 その当時はちょうど、デジタル時計全盛期の入り口にあり、ストップウォッチやカウンター、ミニゲームなどのギミックが競うように付加されていた頃だ。僕の時計もそんな時流に乗っていて、数々の機能が付いている。基本機能としてアラーム、ライト。セレクタブルな応用機能としてストップウォッチ、デュアルウォッチ(別な国の時間を裏画面で同時に管理できるもの)、カウンタ、数値メモリー、ランダマイザが付いていた。これに「逆算ウォッチ」が付いていれば最強なのにな、と、友だちの腕時計の機能をうらやんだこともあるが、総じて僕はこの時計をとても気に入っていた。

 その時計が、昨夜、何の前触れもなく突然止まった。
 

 23時を回った頃だったか。ふと見ると、いつも文字盤に浮き出ているはずのデジタル文字が見えない。灰色の液晶の下地が、静まりかえってそこにあるばかりである。何の脈動も、そこからは感じられなかった。

 単なる電池切れではあり得ない。何故なら約二ヶ月前に、電圧が落ちてきたせいで表示が薄くなったこの時計を、僕は修理屋に持ち込んで電池交換してもらったばかりなのだから。もうこの型はあまり見かけないらしく、交換金具が合わないと言って最初の店では断られた。二軒目で運良く扱ってはもらえたが、やっぱりかなり苦労したと、終わった後で店の親父には言われた。パッキンが弱っているから、もう防水は効かないだろう、水からは遠ざけておいた方がいいですよというアドバイスをもらい、その辺にも注意を払いながら今日まで使い続けてきたのだ。

 なのに、その日残業を終えて帰宅する途中でも普通に使えていたのに、突如としてその寿命を終えてしまった…。



 この愛すべきALBAの腕時計を、中学、高校、大学の間は文字通り肌身離さず使っていた。就職した際、就職祝いにもらった高価な時計に乗り換えたが、数年後にそれが壊れてしまい、一時的にでも代わりになる時計はないかと小物入れを漁ってみると…何と懐かしいALBAの腕時計は、この数年など無かったかのように動き続けていたのだ。以来、高価な時計の修理代よりも安いこのALBAの腕時計を、僕は愛用し続けてきた。

 唯一、今まで一度も有効に使えたことがなかったデュアルウォッチの機能も、先日のハワイ旅行でようやく本来の役目を果たした。もうすっかりシブくなっていて、押すのも一苦労なボタンを何とか操作し、この時計と自分自身の本懐を遂げさせたのだ。異国の空と風に、まだ未熟だった頃の純な自分の記憶を乗せて、共に長き無事を喜び合った瞬間。大げさだろうか。だが、この時計は本当に僕の全てを見ていてくれた、最も古い友の一人だったから。

 28年にもなるだろうか。その間、機械仕掛けの時計と違って音は立てないが、休まず止まらず、時を刻み続けた彼。

 しかし、今は、もう、動かない。その時計。

 どうか、安らかに眠って欲しい。僕が眠るその時まで、今度は違う空から僕を見つめていて欲しい。少なくとも、僕は君を忘れない。君と一緒に過ごした日々を。
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