Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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霜月版Kanon2巻を読んで
 最近まで全っ然知らなかったんですが、Amazonのオススメ商品に並んでいるのを見て発売を知り、一も二もなく速攻で買って参りました。…と言っても、まあ紆余曲折はあったわけですが。

 本屋に着いたら、何故か新刊コーナーに名雪さんの表紙が平積みにされてまして、よっしゃコレだレジへGO!と直行しかけ、いやいやいやいや待て待て待て待て、落ち着くんだボーイ、コレはお前の家にもある1巻じゃあないか?オレたちは発売されたばかりの2巻を買いに来たんだZE?HA HA HA HA HA、とか心の中で高笑い。後ろ髪を引かれる思いで名雪さんの元を離れ、本屋中をあちらこちらと徘徊しましたが…全然見つからないんですな。HEY YOU!もうこの名雪さんの表紙を手にとってBUYしちゃえYO!と、さっきとは正反対の勝手なことを宣う脳内の声に一応抗いつつ、ああ、でも、やっちゃいけないことをやっちゃうのって気持ちイイよね、甘美だよねとかいう感じで次第に意識が遠のき、危うく名雪さんの笑顔に手が届くかというところで…その名雪さんのすぐ横の棚に、一冊だけ残っていた2巻を見つけて、ようやく我に返ったのでした。いやぁ危ない危ない。(^^;

 霜月版Kanon(2)~ホントの想いは笑顔の向こう側に
 
 表紙はあゆ。1巻の終わりにもそういう振りがあったので、私は恐らく今回はあゆ主体の一冊になるんだろうと思っておりました。ところがどっこい、何と残り4人のエピソードがこの一冊に入っており、「霜月版Kanonこれにて堂々の完結!」という事態に。ええええええ!!もっと読みたかった、読みたかったよぉ!!

 しかしながら、これは裏を返せば作者の霜月絹鯊さんが「いかに名雪さんを愛しておられるか」ということに他ならないわけですよ。我々ナユキストにとっては、名雪さんがほとんど登場しないこの一冊を読むことで、返って名雪さんへの愛が深く理解出来るという仕掛けになっておるわけでして。これはまた、何ともストイックかつ深い一冊ではありませんか?!…ナニ?言ってることがおかしい?貴様それでもナユキストの端くれか!!ええいそこになおれ、イチゴサンデーの錆にしt


 …ふぅ。


 まあ、戯れ言はともかくとしまして、10ページにワンカットだけ出てくるどてら名雪さんはすこぶる愛らしいですし(「わたしこれだけ…」という手書きセリフがまた良い!)、最後のあとがきページにどどーん!と載っている名雪さんは「最後まで読み進めて良かった!本当に良かった!」と感涙にむせぶ出来映えですし、裏表紙にも他のヒロインと並んでぷち名雪さんが載ってますし、登場箇所がこの3箇所しか無くともナユキストは買いです。つーか、オレは何の疑いもなく買って満足しちょるよ?ナユキストとは、耐え抜くことと見つけたり!うおおお、最高だ名雪さぁーーーーーん!!なーーーゆーーーk


 …ふぅ。


 ↑一々息が切れるのは、寄る年波には勝てないかららしい(^^;;;


~~~


 さて。


 肝心の内容の方ですが(^^;)、真琴編38ページ、舞編18ページ、栞編20ページ、あゆ編48ページという具合で…はい、ヒロインによってちょっと差がありますね。

 中でも今回一番不遇なのは舞編でしょうか。ページ数も一番少ないですが、ストーリーも最も原作本編と関連が薄く、「舞が佐祐理に向ける思いについてのSS」という感じです。完全なる二次創作と割り切れば、丁寧に描かれた作品として読めますが、名雪編のような重厚かつ絶妙の「原作再構築」を期待されていた舞ファンには…残念なのでしょうね、やっぱし。そうは言っても、あの原作シナリオの短縮再構築はなかなか難しいのでしょうから、こういうやり方もやむないのかも、とは思ってしまいます。

 代わりにと言ってはなんですが、舞編本編が始まる前に1ページ、舞踏会のシーンの舞・佐祐理さんのイラストがおまけで付いてます。これ、京アニ版第12話のあの衣装ですよね。「この2人のこの格好がむっちゃ好きです」と端書きされていて、決して霜月さんがこの二人へ向ける愛情が少ないわけではないのだな、と思いました。

~~~

 一方、同じくらいの分量ながらも、栞編は原作の流れをきちんと踏まえたストーリーになっていて、短いながらも感動的なショートストーリーとして、なかなか読ませるものになっています。視点的には祐一を中心からやや外した部分に置いて、むしろ香里・栞姉妹の関係修復を主体にした物語に再構築されていますね。

 これぁね…、下手したら泣いちゃいます。つーか、オレは泣かされました。中でも、ここでは祐一以上に目立っている「あゆの使い方」が絶妙の一言です。あのコマ割りとページの繰らせ方は卑怯だよ!!何てグッジョブなんだ、何て…。

 短いが故に、「Kanonを知らない人がこれを読んでも…」という側面は確かにあります。でも、原作ファンから見たら、このページ数でこの展開はスゴイと言わしめるだけのものに仕上がっていると思いますよ。個人的にかなり高得点をマークした、この本のオススメ部分の一つです。

~~~

 真琴編は、上記二編に比べて倍ぐらいの長さがありますから、じっくりと読めます。物語も、大筋は概ね原作に準拠した流れですし。ただ…ぴろが登場はするものの、ストーリーの中核にはほとんど絡んでこず、また、美汐が全く登場しません。美汐ファンは「許せない!」と思っちゃうかもしれませんね。一応、お詫びがてらということなのか、本編後に1ページ、子狐を脇に抱いて微笑む美汐さんのイラストが掲載されていますが…。あの辺りのモチーフがお好きな方は、ご了承の上読まれた方が。

 そうした、短縮化する上でやむを得ず削った部分がかなりあることを除けば、「祐一への真琴の心情」が美しく流れていく様を丁寧に描いた良作として評価出来ると思います。1巻の名雪編もそうでしたが、今回のコミカライズにあたっては「ゲームの主人公である祐一の視点」ではなく、「各ヒロインの視点」でストーリーを流していくように組み上げられているので、ゲームでは必ずしも明らかになっていないような「ヒロインの心の動き」が、かなり細やかに描かれているんですよね。真琴編について言えば、原作では「ああいうラストを迎えて、本当に真琴は幸せだったのだろうか?」という疑問が祐一にもプレイヤーにもどうしても残ってしまうわけですが、その部分が誌面上で明示されている今作は、「ヒロイン・祐一・プレイヤーにそれぞれ一つの救いをもたらすアナザーストーリー」として、綺麗な仕上がりになっているのではないかと思います。

~~~

 そして、今回の真打ちにしてフィナーレを飾る、あゆ編。水瀬家との絡みを一切除いて、「3つの願い」にフォーカスした作りになっています。登場人物も、祐一とあゆの二人だけ。…いやいや、嫉妬なんかしませんよ?はっはっは。

 ストーリーは、今回の4編の中で最も「王道」と言えましょう。原作準拠の度合いは、恐らく一番。これは、原作ファンには嬉しい反面、「先の展開がほぼわかってしまう」というリスクを伴うものでもあるのですが…見せ方が上手いせいか、「展開が読めてつまらん」ということは全然ありませんでした。ここぞという時の大ゴマの使い方、不安定な心の動きを表す変則的なコマ割りなどが絶妙です。

 特に、見開き大ゴマ使って笑顔で「3つめの願い」を言わせるところナンざぁ…わかっててもやっぱり来ちゃいますねぇ。1巻ほどの凄みはないにせよ、このシリーズの副題になっている「ホントの想いは笑顔の向こう側に」という言葉の意味を考えると、染みてくるものがあるんです。真琴編も舞編も栞編も、彼女たちが笑顔を見せるその瞬間の「向こう側」に思いを馳せると、胸を締め付けるような仕掛けがほどこされているわけですが、あゆ編のこれはまさに「王道にして最強」。フィナーレを締めくくるにふさわしいカットと言えましょう。

 また、「ヒロイン視点」ということで、ラストでは祐一が明示的にあゆを「こっちに引き戻す」描写になっているのが新鮮です。「視点」と「内なる心の声」があっちこっち行かず、明確にビシッと筋が通してあるところが、今回のシリーズでは非常に秀逸なのですよね。そして、それが「新たな切り口」を往年のファンにも提示している辺り、2巻という限られた長さではあったものの、今回のコミカライズは大成功だったのではないかと思います。



 …まあ、何だかんだ言っても、1巻で霜月さんが描いて下さった名雪さんの愛らしさ切なさの前には全てが霞む気もするわけですが(そんな全てをひっくり返すようなこと言っちゃダメー!)。ホント、ゲーム原作のコミックとしては、他に類を見ないほど楽しませていただき、感謝の念に堪えません。ありがとうございました、霜月さん。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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コメント
この記事へのコメント
私も二巻買いました~♪
一緒にCLANNAD5巻と智代アフターもwww

確かに名雪さんの出番はまったくありませんでしたがあのドテラ名雪さんの可愛さには参りましたwやっぱ名雪さんは可愛いなぁ。

ただ二番目にお気に入りの舞の出番が少なかったのは残念でしたorz

CLANNADの方もゲーム原作のコミックでは秀逸な方だと思っていますのでもしまだ読まれてなかったら一度読んでみてはどうでしょうか?
2007/12/12(水) 01:15:56 | URL | にゅー #-[ 編集]
そちらも実は購入済みです(^^)
>にゅーさん

>一緒にCLANNAD5巻と智代アフターもwww

実は上記では端折ったのですが、私も同時にゲットしてあります。レビューは一冊ずつ、と思っていたのですが、そのご体調を崩して現在に至ります。(^^;;;

>あのドテラ名雪さんの可愛さには参りましたw

ですよねですよね!もうアレだけでご飯をドラム缶に三本は軽く(略

>二番目にお気に入りの舞の出番が少なかったのは残念でした

ご愁傷様です。orz

舞シナリオが霜月さんの手によって40ページサイズに再構築されたらどうなるんだろう?という興味は非常にありますが、なかなか難しいのでしょうかね。もし今後Kanonの二次創作をされる機会がおありだったら、是非とも挑戦していただきたいと、一応願っておきます。

CLANNADコミックについては、実は既刊について2本レビューを上げたことがありますが…ちょっとお見せ出来ないくらい厳しい評価にしてしまっています。実は、レビューを書いてない巻はそこそこに評価している部分もあるのですが、たまたま書く機会に恵まれず…。出来れば、5巻についてはその辺の前向きな部分もレビューとして書いてみたいと思っております。
2007/12/13(木) 22:23:56 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
同じく・・・
 てりぃさん、にゅーさん、私も二冊買いました。久しぶりに一巻も読み直したのですが、やっぱり一巻の名雪さん素敵っす。名雪さんの視点というのがとても良いですよね。二巻も話は短かったけどとても満足できました。真琴編の少し汚れた子狐の後姿のカットでじ~んときたり・・・。
 智代は・・・。更にコメントが難しくなりましたね。(^^;最後に智代が「そんな馬鹿な話があるか 」って言ってましたが、初めてプレイしたときの僕の感想もそんな感じでした。音楽は鳥肌が立ちましたが、未だに未消化デス。


2007/12/16(日) 22:17:09 | URL | u-suke #-[ 編集]
積みゲーの罪
>u-sukeさん

>やっぱり一巻の名雪さん素敵っす。

ですよねですよね!京アニの名雪さんも最高ですが、霜月さんの名雪さんもまた最高で!いや原作の名雪さんも最高ですが(結局ナンでもいいのか)。

二巻は全体に、一巻よりも一層「ショートストーリー色」の強い感じになりましたが、丁寧に書かれているのと軸がぶれていないのとで満足度はかなり高いと思います。アンソロジー時代よりもかなり成熟された感じがしますね。素晴らしい。

>智代は・・・。

すいません、未プレイの私を気遣っていただいて。

実際、読もうかどうしようかはちょっと迷ったんですが、プレイが終わるまで封印したら一生読めないかも、と思って(爆)、覚悟を決めて読みました。ネタバレは喰らっているのでしょうけど、でも、「智代がかわいそう」みたいな話を前にも聞いていたんで、およそストーリー的には想定内に収まったかなと。原作はもっともっと痛々しい展開なんでしょうけどね。

>未だに未消化デス。

そう仰る方も多いようですね。自分がそこに到達するまで、一体どのくらいかかるやら、です…。
2007/12/17(月) 20:54:37 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
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2007/12/12(水) 01:57:57 | ごたく屋別館