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Old Dancer's BLOG
ここはてりぃが、趣味の共通する方々との得がたいつながりのために、自分の趣味に関係する諸々のことを、壊れながら書きつづるブログです。
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ノエイン~もうひとりの君へ~ 第4巻まで
 私は、自らの不明を恥じるべき、と思いました。

 もう一年以上前でしょうか、当ブログに設置されたチャットルーム内(最近全然稼働してないけどね('A`))で、どなたかに強く薦められたんですよ。ノエイン、面白いですよって。もし余裕があれば見て下さいよって。でも、色んな意味でその時、全然余裕がなかったんですよね、私。で、ああ、待ち行列に加えておきますね、って言って、それきりになっちゃってました。

 それが、奇しくも昨年末に新規オープンした近くのレンタル屋に全巻揃っているのを発見しまして、ああ、そう言えばこれ、薦められてたよなぁ…と思い出しまして。年末で仕事とかも一段落していたこともあって、借りて見てみることにしたんです。それがあーた、見始めたら止まらないんですよ。面白いんですよ。ナンでこんなに面白いものが、一般に大きく広まることなく終わっているのかと。つーか、オススメを受けた時点で見ろよ>オレ。
 私がこの作品から受けている印象は、「大人向けのジュブナイル」、です。これは決して少年少女が主人公の18禁な内容ということではなくてですね(汗)、子どもが全てを咀嚼するにはちょっとディテイルが難しすぎるなぁと、でも、その中で主人公を含む5人の子どもが繰り広げる悩みと行動はやっぱり「子どもの目線」にピッタリのそれなんですよね。

 「今の子どもの悩み」を大上段に斬ろうとする「意欲的な作品」だと、登場する子どもらがもうあり得ないぐらい深刻な悩みに直面した挙げ句、切ったの張ったの誰が誰を傷つけ或いは殺したのという大立ち回りを演じ、もーフィクションだからとここまでの狼藉を許せようかというぐらいグッチャグチャのシロモノになってしまって、到底「ジュブナイル」とは呼べない、どっちかと言うと「(子どもという名の)妖怪(の)大戦争」とか「(子どもが世界を滅ぼす)アルマゲドン」とかの方がしっくり来そうなものが散見されます。そういうのが好きな方もおられましょうが、あたしゃご免被りますよ。今の子どもだって、自分の子ども時代だって、環境や世相は違っても、悩みの一番の中心なんて似たり寄ったりのはず。それを描かずにグッチョグチョにしてしまうのは、「子どもを『異分子』と見なして恐れているのではないか?」なんて勘ぐりたくもなるじゃない。

 結局、「子ども」というのは、大人たち自身の異なる自我を持つ「分身」なんですよ。だから、良質なジュブナイルは大人が読んでも「(かつての)我がこと」として感情移入できるのだし、途方もないノスタルジーと感動を与えてくれるものなのだと、てりぃは勝手に思っておりました。その点、昨年夏公開されたアニメ版「時をかける少女」も立派なジュブナイルの資格を持っていたと思います。ああ、話が脱線しましたが、まだ鑑賞半ばとは言え、この「ノエイン」という作品も、「子どもの目線」での彼らの悩みをしっかりと主軸の一部に据えているところが素敵だと思うのです。

 例えばそれは、親友にも表だって言えなかった淡い恋心ゆえの、勘違い嫉妬が原因の大げんかだったり。ある時それは、過去に憑かれた母親による進学強制に息が詰まりそうになった少年の、家出計画を含むこもごもだったり。またある時それは、行方がわからなくなった友だちの、子どもたちなりの必死の捜索だったり。それを見つめる作中の大人たちも、そして更にそれを画面の外から眺める我々も、「かつての自分自身のもの」としてそれを受け止め、感じ、時には涙することができる…素晴らしいじゃないですか!

 そうした「子どもの目線」を徹底するためでしょうか、この作品のキャラデザインは、最近の流行を全く意に介しないかのような、個性的ながらも派手さを除いた独特の雰囲気を漂わせています。端的に言うと、「萌えにくい」キャラですし、「丁寧」というよりは「ラフ」な感じです。デフォルメがよく効いており、他では見ない感じが微妙な抵抗感を生むかも知れません。ですが、見進むうちにこのキャラデザインが、作品の内容と実に良くフィットしていることに納得されるのではないかと思います。

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 しかしこの作品、それだけで終わりではありません。設定の一番骨格に「ハードSFの魂」が仕込まれており、あろう事か「量子論的平行世界」を舞台の中心に据えてストーリーが進行するのですよ。これはエラいことです。だって、作品の本質的な部分は先に述べた通り「ジュブナイル」なんですよ?それを語る舞台として、物理学的な感覚がかなり要求されるものを用意するというのは…かなりの冒険だと思いませんか?

 ところがこのノエインという作品、その点においても絶妙のハンドリングを見せます。まず、「小難しい事はほとんど語らない」こと。第二に、「それでいて物語の根幹に関わるようなパーツは、わかりやすくビジュアルも併用しつつ必要十分に語り・見せている」こと。そして第三には、「それらの『SF的な要素』が浮くことなく、少年少女たち&彼らと絡む異世界の者たちの心理描写ときっちり噛み合わされて、極上のストーリーテリングとなって息づいている」こと。特に、この3つめの部分には私はすっかり参ってしまってまして、もう毎話毎話、ほとんど涙目になりながら画面に釘付けという勢いなのです。

 よくある「科学至上主義なんてバカラシイ」的な感情に訴えかけるトーンとしては、科学の側面を体現する「数字と理論の権化」みたいなキャラが「まさかっ!」とか叫んで、本来ならばあり得ないはずの現象が人間のソウルのゆえに引き起こされる…みたいなカタルシスがあります。これはこれでわかりやすいですし、素晴らしい演出などを積み上げればこれまた極上の作品となりうるのですが…本作は、全く逆です。科学の権化そのものが「人間の思いが時空に作用する事がある」とか、すんごくさらっと言っちゃうんですよ。人間の気持ちも、科学の上で例外や特異点ではない、と。この、「思いは量子を動かし得る、さ」みたいな、科学の上に立っている者だからこそ言えるような愛にあふれたテーゼはどうだと。一見ある種のニヒリズムかと思えて実は、科学も人間も等しく賛美する「正しき資質」なんじゃないでしょうか。そんな骨太の魂を、作品の端々から感じるわけですよ。この辺の切り口というか根幹に流れるものは、神林長平のSF作品などで覚えがあるんですよね…そんなにたくさん読んだわけではないですが、すんごく難解だったけど「プリズム」とかが似たような色彩で書かれていたように思います。

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 このような、私の大好きな「子ども立脚の視点」「SFの魂」という材料を調理する数々の技…「静・動の両面で実に良質なアニメーション」「違和感なく2D描写と絡む高品位の3DCGを交えた、抜群の描写力」「『表現したい事』を明確に意識しながら紡ぎ出される、演出と脚本」などが、これでもかと私を打ちのめすんですもの、冷静に見られようはずがありません。もしリアルタイムで見ていたなら、間違いなく悶絶しながらレビューを書いていますよ、これ。この一年間の経緯を考えれば、「見ていなくて正解だった」という気もしますけれど…今の今まで放ってあった自分が、実に恨めしい!

 私が見たのは中間地点までですが、既にこの通りべた褒めです。人によって好みの違いもありますから、決して無理強いは致しません。ですが、「なにそれ、見た事ない…」という人や、ちょっと硬質な部分をアニメにも求めるような方、ジュブナイルOK!な方などは、騙されたと思って是非とも見てみて頂きたい!あまりアニメを人に薦める事のないてりぃですが、これはオススメです。超オススメです。

 ノエイン~もうひとりの君へ~ DVD第1巻



※どうでもいい余談
 私の生まれ故郷である函館が舞台なんですが、作中では全く函館弁が出て来ず、皆が皆標準語でしゃべります。これは、まあみんなが見るアニメにする以上はそういうモノだと思って受け取っておきましょう…いや、ホントに全編函館弁でやられたら、「聞き取り不能な場所」とかすんごく増えそうで、それだけで「難易度」上がりそうだし(笑)。
楽しんで頂けましたらWEB拍手をお願いします。
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テーマ:アニメ - ジャンル:アニメ・コミック

コメント
この記事へのコメント
放映から1年ほど経ちましたが、第10話で、子供たちが「未来人」の存在を割とあっさり受け容れてしまえたのが、今でも印象に残っています。
当初から子供たちの描写に説得力がある作品…という印象は持っていましたが、こういったストーリーの流れにはあまり影響を与えない部分で「子供の目線」がしっかりしているのが、とても好きでした。

SF部分は要感想サイト巡りでした(^_^;)
設定的に小難しい部分は集中して聞くので理解するのだけれども、そのSF設定とキャラがどう絡んでいるのかに気が回らなかったり……。
きちんと見ているはずなのに感想サイトをチェックするたびに知らない情報が氾濫しているという。

SFとは違いますが、本日深夜0時~NHK-BS2で再放映の始まる「絶対少年」もオススメです……と言ってみようかな(言うだけ)
2007/01/08(月) 10:37:23 | URL | 加嶋@アニ鳴館 #K7NiHVcI[ 編集]
うはwwこれはwww
こんばんは。たこーすけです。

>あろう事か「量子論的平行世界」を舞台の中心に据えてストーリーが進行するのですよ。

うはwwwなんかすごくタイムリーなwww

これはヤバイ!見ちゃう!もう!

すごく忙しくなってきたかもww

オススメをありがとうございました。
それでは。
2007/01/08(月) 23:17:29 | URL | たこーすけ #luvxoLW6[ 編集]
予 想 通 り
ウチのブログでも某名作を越しての評価ですが、やはりハマッてしまわれましたね(・∀・)

世界観の構成やバトルシーンの動き等、全ての点でクオリティが高いのですが、子供の視点での描写が上手いですよね。
アイが誤解してハルカを叩いた時、まさかケンカを買うとは思っていなくて、そこからハマっていった変な視聴者です(ぉ
最終話までテンションは落ちないので、是非突っ走って下さい(`・ω・')ノ
そして、見終わった後の一押しキャラはアトリになっているはず。この未来は変えられない…(・∀・)

ついでにお勧め作品として、『桜蘭高校ホスト部』という少女コミック原作のギ ャ グ アニメをお勧めしておきます。
アンジェリークを視聴しておられる奥様と一緒に見られるのがよろしいかと(*´д`*)
2007/01/09(火) 00:03:22 | URL | はぐれ #US7Is6OM[ 編集]
代わりに明日から出勤してくれるものはおらぬか!
>加嶋@アニ鳴館さん

あまりにビビッドな反応を頂いて、ちょっちびっくりしております。

>SF部分は要感想サイト巡りでした(^_^;)

ああ、やっぱあの辺はホントは難しいところなんですね?昔取った何とやらで、思春期に読みあさったSFの知識とか、学生時代におベンキョーした量子論の欠片とかの恩恵に浴して、何となく理解したような気になっちゃってるんですけども…。キケンですよね、この「わかったような気になってる」というのは。


>たこーすけさん

>うはwwwなんかすごくタイムリーなwww

あ。ナンか、押しちゃいけないスイッチ押しちゃいました?だ、大丈夫かなぁ<薦めておいて弱気なヤツ


>はぐれん

>予 想 通 り

む。何だかとっても悔しいぞ?見透かされていたみたいで。


で、こういう記事を書くとですな、

>「絶対少年」 (加嶋@アニ鳴館さん)
>『桜蘭高校ホスト部』 (はぐれん)

という具合に、色んな方から別な作品のオススメも頂戴するんですよね(涙)。見てみたいのは山々ですが、ちょっと余裕が無さそうなんですよ、申し訳ありません。それでなくても、積んだままになってる案件が目白押しですのに。今日も、せめてDVD6巻まではノエイン見ちゃおうと思っていたのに、何だかんだで時間が押して見れず終いですし。明日から本格的に仕事が再開すると、またKanonレビューで手一杯になっちゃうのが目に見えているんで、ご勘弁下さい。ホント、すいません。orz
2007/01/09(火) 01:48:55 | URL | てりぃ #O8jQI81I[ 編集]
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